クラレは8月6日、シンガポール現地法人である Kuraray Asia Pacific内のEVOH樹脂〈エバール〉の生産プラント建設予定地で起工式を開催した。
新設プラントの場所はKuraray Asia Pacific。生産能力はEVOH樹脂年産1万8000t(前工程は将来の増設を視野に年産3万6000t能力で建設。後工程は2期に分け、今回1期分を実施)、稼働時期2026年末、投資額410百万米ドルとなる。
1972年に、同社が世界で初めて開発・事業化したEVOH樹脂〈エバール〉は、機能性樹脂の中では最高レベルのガスバリア性を有す。酸素などの気体を通しにくく、内容物の劣化を防ぐことから食品包装用途に広く使われており、フードロス削減に貢献している。
近年、循環型経済(サーキュラーエコノミー)の観点から、食品包装用途における環境配慮型製品のニーズが高まっており、リサイクル可能な包装材料へのシフトが望まれている。特に欧米ではポリオレフィンのリサイクルを妨げないバリア材として〈エバール〉の引き合いが増えており、〈エバール〉の需要は世界的に拡大していくと見込んでいる。
同社グループは、EVOH樹脂およびバリア材料のリーディングカンパニーとしてさらなる事業拡大を目指し、これからも自然環境・生活環境の向上に貢献していく。