クレハの25年3月期第1四半期決算は、売上収益が419億3400万円で前年同期比4・2%減、営業利益は32億円で同35・2%減、税引前四半期利益は37億6200万円で同32・9%減、四半期利益は29億1800万円で同10・3%減となった。
セグメント別に見ると、機能製品事業の売上収益は142億6200万円で同13・2%減、営業利益は6億9300万円で同42・1%減となった。リチウムイオン二次電池用バインダー向けのフッ化ビニリデン樹脂やシェールオイル・ガス掘削用途向けのPGA(ポリグリコール酸)樹脂加工品およびPPS樹脂の売上げが減少したことから、この分野での売上げ、営業利益はともに減少した。炭素製品分野では、高温炉用断熱材の売上げは減少したが、球状活性炭の売上げが増加したことから、この分野での売上げは前年同期並みとなり、営業利益は減少した。
化学製品事業の売上収益は84億100万円で同8・8%減、営業利益は3億7000万円で同44・8%減となった。農薬・医薬分野では、農業・園芸用殺菌剤および慢性腎不全用剤「クレメジン」の売上げが減少したことから、この分野での売上げは減少したが、営業利益は前年同期並みとなった。工業薬品分野では、無機および有機薬品類の売上げが減少したことから、前年同期の営業利益から営業損失となった。
樹脂製品事業の売上収益は129億5100万円で同11・0%増、営業利益は17億3100万円で同22・5%減となった。コンシューマー・グッズ分野では、フッ化ビニリデン釣糸「シーガー」の売上げが増加したが、家庭用ラップ「NEWクレラップ」の売上げが減少したことから、この分野での売上げ、営業利益はともに減少した。業務用食品包装材分野では、熱収縮多層フィルムの終売を受けた顧客の需要増および塩化ビニリデンフィルムの売上げ増加により、この分野での売上げ、営業利益はともに増加した。
25年3月期通期連結業績予想は、売上収益が1700億円で前期比4・5%減、営業利益は140億円で同9・4%増、税引前利益は140億円で同0・6%増、当期利益は100億円で同2・7%増を見込んでいる。