マテリアルの営業利益は52%増 カネカの4~6月期

2024年08月21日

ゴムタイムス社

 カネカの25年3月期第1四半期決算は、売上高は1983億8200万円で前年同期比8・6%増、営業利益は102億7600万円で同83・4%増、経常利益は101億4600万円で同52・0%増、四半期純利益は70億3300万円で同65・8%増となった。

 マテリアルソリューションユニットの売上高は860億4200万円で同10・8%増、営業利益は83億8200万円で同52・0%増となった。
 Vinylsは、塩ビ・か性ソーダ共にアジア市況の低迷が続いたが、足元の需要は回復基調にあり、増益となった。国内では塩ビの価格改訂を打ち出しており、スプレッドの改善に注力している。MODは、全拠点で需要が回復し、コストダウンの取り組みも寄与したことから、大幅な増益となった。非塩ビ用途及びMXの販売も着実に拡大しており、高付加価値製品へのシフトを加速させる。MSは、ユニークな機能特性を活かして販売が堅調に拡大し、増益となった。当第2四半期(2024年7月~9月)以降は、ベルギーでの生産能力増強設備の稼働を活かし、新用途・新地域での拡販に注力する。Green Planetは、世界の大手ブランドホルダーとの取り組みが進展し、発泡緩衝材として家電・自動車向けにも採用されるなど、採用案件が更に増加している。世界中で環境規制の厳格化とともにGreen Planetへの関心が高まっており、量産実証プラントの立上げを確実に進める。

 クオリティーオブライフソリューションユニットの売上高は450億5800万円で同10・2%増、営業利益は42億5600万円で同44・8%増となった。
 Foamは、自動車分野での生産調整及び農水産・建築分野での需要低迷の影響を受けた。需要の確保や価格改訂・コストダウンなど、スプレッドの改善に継続的に取り組んでいく。E&Iは、スマートフォンや大型液晶TVの生産が増加し、ポリイミドフィルム・アクリル樹脂ともに大幅な出荷増となった。5Gスマートフォンの利用拡大に伴い、高周波対応ピクシオの採用アイテムも増えている。PVは、住宅向け高効率太陽電池の販売が堅調に推移した。豊岡市でのマイクログリッド事業の開始、壁・窓が発電するZEB需要の拡大、次世代太陽電池(ペロブスカイト)の導入に向けた官民での取り組みが進展しており、同社製品への注目度はさらに高まっている。Fiberは、アフリカ諸国の通貨安・高インフレが継続し、頭髪製品の需要回復に想定以上に時間を要している。サブサハラアフリカ全域への拡販や、高機能新製品の投入を加速し、更なる需要の喚起に取り組んでいく。

 ヘルスケアソリューションユニットの売上高は183億7200万円で同3・5%増、営業利益は29億9200万円で同0・9%増となった。
 Medicalは、血液浄化器、カテーテルともに販売が順調に拡大している。北海道の血液浄化器の新工場は8月に稼働予定で、下期以降の国内外での需要増大に寄与する見込み。カテーテルでは消化器領域や不整脈領域の新製品投入を予定しており、生産拠点の新設も検討している。Pharmaは、顧客の需要波動の影響を受けたものの、低分子・バイオ医薬品ともに新規開発品の取り組みが着実に進展している。バイオCDMO事業の拡大に向けてベルギーはじめ研究拠点体制を拡充しており、遺伝子治療・がん治療薬の需要拡大に備えた事業基盤の強化に注力していく。
 通期の連結業績予想は、売上高が7900億円で前期比3・6%増、営業利益が380億円で同16・6%増、経常利益が340億円で同16・3%増、純利益が245億円で同5・5%増を見込んでいる。

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