東レは8月8日、人材活躍を目的とし社内で結成した「女性活躍推進活動チーム」が、一般社団法人技術同友会が主催する「第10回女性技術者育成功労賞」を受賞したと発表した。
同賞は、女性技術者の登用・任用推進を支援するため、女性技術者育成に成果をあげた個人や組織を表彰するもので、「女性活躍推進活動チーム」が10年間にわたり行ってきた活動が評価されたもの。
同チームは、2014年に女性部長層7名が、国内各事業場や工場、研究所に点在する女性課長層同士の「業務の枠組みにとらわれないネットワーク形成」を目的として、自主的に女性管理専門職研修を企画したことが始まりとなる。過去6回の研修はほぼ女性のみが参加していたが、2022年に行った第7回研修では、受講者対象に男性管理職も含め、人材育成に関する男女間の認識や意識の違いを議論する研修へと発展させ、性別を問わない管理専門職のネットワーク形成と、女性部下育成に関する行動変容をもたらした。
そして、同社は同チームの自由な発想による多様な活動を継続的に支援し、人事勤労部門と協働して現場の声を人事制度や勤労施策等に反映してきた。女性社員が事業領域や職種に関わらず働き続けるための現場課題の洗い出しや情報共有、意見交換を行う場の提供を通じて、管理職候補である女性社員のWLB(ワークライフバランス)に寄与するとともに意識を大きく変化させ、女性技術者の管理専門職も着実に増加している。
現在、同チームの活動者である女性部長層のメンバーは28名(内技術者16名)と、その裾野を広げ業容は大きくなったが、活動の原点は後進の活躍を後押しする姿勢と、現場の声を拾い上げ自らが積極的に行動することであり今後も続けていく。
東レは、創業以来、人材育成を重視し、「企業の盛衰は人が制し、人こそが企業の未来を拓く」との考え方の下、「人材の確保と育成」を最重要の経営課題としている。中期経営課題「プロジェクトAP-G 2025」では、基本戦略のひとつとして、「「人を基本とする経営」の深化」を掲げ、「多様な人材・価値観の包摂」、「変化に適合する人材・組織づくり」、「東レ理念への共感・働きがいのあるキャリア形成(エンゲージメント)」を人材戦略とし、「価値観の違いやライフイベント等の背景によらず、従業員一人ひとりが東レグループで持ち味を最大限に発揮し、自己実現できる」ことを目指していく。
今後、本活動は、同チームの活動成果を受け継ぎつつ、ジェンダー面のみならず文化面や世代面なども含めた多様な人々の個性や価値観をさらに活かすために、社内に専任組織「HCM(Human-Centric Management:人を基本とする経営)推進グループ)」を設置し、人事施策や勤労施策をさらに深化させ、それら制度の活用に向けた意識改善、職場コミュニケーションの充実を図り、誰もが生き生きと働ける職場づくりの実現とともに、企業価値向上に資する取り組みを推進する。
2024年08月19日