出光興産は8月8日、HIF Global社(HIF社)への共同出資について、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の出資制度 に申請し、このたび採択(以下、「本採択」)されたと発表した。
HIF社は、南米・北米・豪州などで e-メタノール(合成メタノール)をはじめとする合成燃料を製造するプロジェクトの開発を行う企業である。本採択により同社の出資体制は、HIF社に対して単独出資からJOGMECとの共同出資体制に変わる。本共同出資体制により、今後政府機関との連携を深め、カーボンニュートラル燃料として有望なe-メタノール等の合成燃料サプライチェーン構築を加速する。
本採択を受け、同社は JOGMECと出資基本契約を締結する。JOGMECは同社の米国子会社であるIdemitsu Efuels America Corp.(IEAC)を通じて、同社とともにHIF社への共同出資(JOGMECからは約3600万米ドルを出資)を行う。
2050年のカーボンニュートラル社会の実現に向け同社は、クリーンアンモニアや SAFなどとともにe-メタノールへの事業化を重点的に検討している。2024年5月には、南米・北米・豪州など多拠点かつ大規模にe-メタノールをはじめとする合成燃料の事業開発を行うHIF社に出資(出資金額1億1400万米ドル)し、海外拠点におけるe-メタノールおよび合成燃料の製造・開発を推進することを公表した。
同社は、HIF社の事業からe-メタノールないし合成燃料を国内に輸入することを検討している。本共同出資を通じ、船舶用の燃料として、また合成燃料(ガソリン、ジェット燃料など)および合成化学品の原料として、活用できる汎用性の高いe-メタノールの国内外におけるサプライチェーン構築を推進し、カーボンニュートラル社会へ貢献する。