イソプレンは販売量増加も減益 クラレの1~6月期

2024年08月20日

ゴムタイムス社

 クラレの24年12月期第2四半期連結決算は、売上高が4112億1700万円で前年同期比7・9%増、営業利益は454億6400万円で同11・0%増、経常利益は440億2200万円で同14・2%増、四半期純利益は304億4600万円で同39・4%増となった。

 セグメントのうち、イソプレンの売上高は375億3800万円で同18・1%増、営業損失は40億2500万円(前年同期は27億300万円の損失)となった。自動車用途などを中心に需要が回復し、販売数量が増加した。 耐熱性ポリアミド樹脂〈ジェネスタ〉は、堅調な自動車用途に加え、電気・電子用途でも需要が回復し、販売数量が増加した。
 ビニルアセテートは、売上高が2088億4000万円で同5・0%増、営業利益は439億500万円で同9・1%増。ポバール樹脂は、欧州向け物流が混乱する中、グローバルな安定供給体制を背景に、販売数量が増加した。光学用ポバールフィルムは、流通在庫調整の影響が解消し、販売数量が増加した。なお、テレビ用パネル大型化の需要に応えるため、第2四半期に倉敷事業所で新設備の稼働を開始した。高機能中間膜は、欧州の建築用途で景気低迷の影響が継続し、販売数量が減少した。水溶性ポバールフィルムは、欧州で長引く景気低迷の影響を受けているものの、流通在庫の調整が進み、販売数量は増加した。
 EVOH樹脂〈エバール〉は、自動車用途は堅調に推移した。食品包装用途は昨年後半から続く需要の落ち込みの影響を受け、販売数量は減少したものの、第2四半期に入り各地域で回復基調となった。サーキュラーエコノミー関連を中心とした今後の需要拡大に対応するため、シンガポールでの新プラントの建設(2026年末稼働予定、 2024年3月26日公表)を決定した。

 24年12月期通期業績予想は前回予想から修正し、売上高は8500億円で前期比8・8%増、営業利益は890億円で同17・9%増、経常利益は840億円で同21・7%増、当期純利益は550億円で同29・6%増を見込んでいる。

関連キーワード: ·

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー