日本ゼオンが特許侵害で訴訟 独リチウムイオン電池会社に

2024年08月22日

ゴムタイムス社

 日本ゼオンは8月21日、2024年8月9日、リチウムイオン電池用材料を製造・販売する、Arlanxeo Deutschland GmbH(アランセオ社)に対し、同社が保有するリチウムイオン電池用材料に関するドイツ特許を侵害しているとして、ドイツにおける該当製品の製造および販売等の侵害行為の差止めと損害賠償を求める訴訟を、ドイツミュンヘン地方裁判所に提起したと発表した。
 同訴訟は、電気自動車、スマートフォン、ノートパソコン等に用いられるリチウムイオン電池の正極用バインダーに関して、同社特許に係る技術を実施して製造・販売していると同社が判断したアランセオ社製品の、ドイツにおける製造・販売等の差止めと損害賠償を求めるもの。なお、同訴訟は同社が積極的に投資、事業展開を行ってきた重要な知的財産権を保護することを目的とする措置で、これにより、リチウムイオン電池材料産業の健全な発展と秩序維持に貢献できると考えている。
 同社の正極用バインダーは、非フッ素系バインダーとして業界初採用されたものであり、リチウムイオン電池メーカー各社より多くの支持、評価を頂いている製品となる。正・負極用バインダーをはじめとする同社の各種リチウムイオン電池用材料は、他社に先駆けて長年開発し続けてきた独自技術を採用しており、積極的に投資、事業展開を行っている。また、グローバルで拡大する電池市場に対して、ユーザーに安心してお使いいただくために、同社は世界各拠点からのタイムリーかつ安定した供給体制を整備するとともに、知的財産権の積極的な保護・活用にも努めており、リチウムイオン電池用材料の特許権を多数保有している。
 今後も、同社の許諾なしに同社特許に係る技術を実施して物品の製造・販売・使用等を行う行為があれば、同社としては、これを看過することなく、いかなるものに対しても、その責任を追及し、適正な対応を取る所存としている。

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