横浜ゴム、アイスガード7 SUV・EV車両にも対応

2024年09月13日

ゴムタイムス社

 横浜ゴムは北海道旭川市のテストコース「北海道タイヤテストセンター」(TTCH)でスタッドレスタイヤの性能を体感する試乗会を開催した。
 市場ではSUV車両やEV車両の販売が確実に伸長していることから、今回の試乗会では「SUV&EV対応の検証」をコンセプトとして、「アイスガード7」とSUV専用タイヤである「アイスガードSUVG075」の2つのタイヤで性能比較を行った。
 性能比較により「アイスガード7」に搭載した技術が、相反する氷上性能と雪上性能の向上に大きく貢献していることと共に、アイスガードがSUV車両やEV車両にも対応している事を体感することができた。
 性能評価は、屋内氷盤旋回試験路で氷上での旋回性能の比較、総合圧雪路で雪上スラローム走行を行い、舵角量やグリップの立ち上がり方などを比較、屋内氷盤試験路で氷上での加速感や制動距離を比較した。
 まず、屋内氷盤試験路で「アイスガード7」と「アイスガードSUVG075」の2つのタイヤで、マイナス3度の低温の氷盤路を使用して性能比較を行った。
 評価ポイントは加速感、制動感、制動距離などで、制動距離は時速30キロ前後でブレーキを踏み、どの程度の距離で停止するか比較した。
 「アイスガード7」はブレーキ開始後17mで停止、「アイスガードSUVG075」は20mで停止した。「アイスガード7」は、接地面積、ブロック剛性、溝エッジ量を増加したことなどにより、氷上性能が向上しているが、「アイスガードSUVG075」は、タイヤ溝面積が多く深いため、「アイスガード7」と比較すると氷上性能が悪化する結果となった。
 続いて、屋内氷盤旋回試験路では、約20キロの速度で旋回試験路を周回し、旋回性や1周にかかるラップタイムを測定した。
 「アイスガード7」の1周にかかるラップタイムは平均20秒となり、ハンドル操作時ではグリップが効き、舵角も小さく、操作性も高かった。一方、「アイスガードSUVG075」は平均23秒となり、旋回時に横滑りが始まり、ハンドルの制御が効かない状態になる事が多かった。
 雪上スラローム比較では、総合圧雪試験路を約50キロの速度でスラローム走行し、発進トラクション、加速感、旋回グリップなどを比較した。
 「アイスガード7」と「アイスガードSUVG075」の両タイヤは共に40キロまで旋回加速が可能であり、グリップ力もあり、かつ舵角の効きも良く安心感があった。雪上走行時では、両タイヤともにグリップが効き、安定した走行が可能だった。
 また、雪上で50キロ前後でブレーキを踏み、どの程度の距離で停止するか比較した所、「アイスガード7」はブレーキ開始後29mで停止、「アイスガードSUVG075」は30mで停止し、こちらも大きな違いは体感できなかった。
 氷盤試験路と総合圧雪試験路での試験結果により、「アイスガード7」は相反する氷上性能と雪上性能を高いバランスで両立させていることを実感することができた。
 また、氷上性能を求めるなら「アイスガード7」だが、雪道の走行が多く、レジャーなどで使用する機会が多いSUVユーザーなら「アイスガードSUVG075」の選択もあると感じた。
 EV対応の検証では、共に「アイスガード7」装着したEV車両と原動機車両を使用して、圧雪路面でハンドリング性能等を比較した。
 EV車両は、原動機車両より約200キロ重量が重いが、原動機と比較して、腰砕け感もなく安定した走行が可能だった。EV車両は重量があるため、制動距離は伸びるが、ハンドリング性能には違いは感じられなかった。
 この結果、SUV車両やEV車両などのそれぞれの特性にも負けず、アイスガードは性能を発揮していることを体感することができた。

アイスガード7

アイスガード7

雪上での制動比較

雪上での制動比較

氷盤での制動比較

氷盤での制動比較

雪上でのスラローム走行

雪上でのスラローム走行

氷盤旋回路での比較

氷盤旋回路での比較

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