デンカら開発のエボラ診断キット コンゴで使用許可取得

2024年08月23日

ゴムタイムス社

 デンカは8月22日、同社が北海道大学人獣共通感染症国際共同研究所長の髙田礼人教授と共同開発したエボラウイルス抗原迅速診断キット「クイックナビーEbola」について、医薬品医療機器総合機構(PMDA)による国内製造販売承認を2021年3月18日に取得していると発表した。
 先般よりコンゴ民主共和国国立生物医学研究所(INRB)が、国際協力機構(JICA)の協力のもと、コンゴ民主共和国保健省に対して同キットの使用許可を申請しており、この度202 年6月21日付で国内使用許可が得られた。
 同キットは2018年以前から同社より試験用として高田教授の協力のもと、JICA を通じてコンゴ民主共和国に試作品が供与されており、2018年5月の同国赤道州におけるエボラ出血熱発生時には初期検査に使用され、流行拡大を防ぐことに貢献した。また、2018年から2020年にかけて同国北キブ州等で流行した際にも、PCRによる検査と並行して使用され、優れた性能を示した。このような同キットの使用実績から、INRB においても同キットの性能と有効性を確認し、その成績をもってPMDAの製造販売承認を得ている。
 同キットは診断結果を約10分で判定し、室温での保存も可能で特別な器具や装置を必要としないことから、都市から離れ、医療施設が十分に整っていない遠隔地での使用も期待される。そのため、同キットのコンゴ民主共和国内における公式な使用許可取得は、同社製品の同国への正式な供給を可能とし、今後発生するエボラ出血熱患者の迅速診断を可能とすることにより、感染拡大防止につながる事が期待される。
 同社は経営計画「Mission2030」において、ヘルスケア事業を重点分野のひとつと位置づけている。今後も感染症の予防と早期診断を通じて世界の医療の課題解決に取り組み、人々のQOL向上に貢献していく。

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