三菱ケミが資源循環型カー黒販売へ 使用済みタイヤを原料に

2024年08月23日

ゴムタイムス社

 三菱ケミカルグループは8月22日、香川事業所に有するコークス炉において、使用済みタイヤをケミカルリサイクルする検討を開始したと発表した。2025年度中に使用済みタイヤを原料とした資源循環型カーボンブラックの販売を開始することを目指す。
 タイヤ業界でサステナブルな原材料を求める動きが加速しているなか、主原料のひとつであり、ゴムの補強剤として使用されているカーボンブラックについても再生原料化のニーズが高まっている。同社グループのサプライチェーンを活用することで、破砕した使用済みタイヤを原料としてコークス炉に投入し、得られたタールから再びカーボンブラックを生産することができる。
 コークス炉を活用し、使用済みタイヤから再生産した資源循環型カーボンブラックを販売することは世界初の試みとなる。生産した資源循環型カーボンブラックは通常品と同等の性能を有し、再びタイヤ用のカーボンブラックとして使用されることでタイヤの水平リサイクル実現に貢献する。
 事業化に向け、2024年7月から使用済みタイヤをコークス炉へ投入する実証実験を開始した。2025年度には年間数千t規模、2030年度には年間数万t規模の資源循環型カーボンブラック販売を目指す。
 同社グループは、使用済みタイヤのケミカルリサイクル技術の確立と新たなリサイクルシステムの構築により、自動車・タイヤ業界のサーキュラーエコノミー実現に貢献していく。

資源循環型カーボンブラック

資源循環型カーボンブラック

コークス炉 

コークス炉

破砕した使用済みタイヤ

破砕した使用済みタイヤ

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