帝人グループは8月27日、同社グループで高耐熱熱硬化プリプレグを製造・販売する米国のRenegade Materials Corporation(レネゲード社)が展開する低誘電特性を有したプリプレグが、このたび、米国のNCAMP(National Center for Advanced Materials Performance)に認証されたと発表した。
このプリプレグは織物状のクオーツ繊維(石英繊維)をエポキシ樹脂で含浸した製品で、クオーツ繊維を用いた低誘電特性のプリプレグが同認証を取得することは初めてとなる。
NCAMPは、米国・カンザス州のウィチタ州立大学が運営する民間認証機関で、NCAMPによって認証されたプロセスによって開発された複合材料の仕様や設計値は、米国連邦航空局(FAA)や欧州航空安全局(EASA)などに認められている。
レネゲード社は、1993年創立の樹脂メーカーを母体として2007年に設立した航空・宇宙用途向け高耐熱熱硬化プリプレグメーカーで、2019年より同社グループの一員となっている。耐熱性樹脂に関する豊富なノウハウを有しており、欧米をはじめとする航空機メーカーや航空機用エンジンの関連メーカーなどから高い信頼と採用実績を得ている。
このたび、NCAMPの認証を取得したレネゲード社のプリプレグは、優れた電気絶縁性や信号整合性、電磁干渉の低減といった特長を有しており、航空機に搭載されているアンテナを雨風や太陽光などから防ぐ保護カバーであるレーダードーム(レドーム)の材料として使用している。
航空機メーカーや航空機部品サプライヤーの多くは、NCAMP認証を受けた低誘電特性を有するプリプレグを使用する場合、自社で個別の材料認定作業を行うことなく、NCAMPが公開しているデータベースを活用することができるため、民間航空の安全を管轄する政府機関の認定を効率的かつ低コストで取得できるようになる。これにより、航空機などの生産コストの削減、設計から生産までのスピードアップが期待される。
同社グループは、長期ビジョンである「未来の社会を支える会社」となることを目指して、さまざまな分野に対してソリューションを提供していく。
2024年08月28日