ランクセスは８月27日、中国における持続可能なソリューションおよび先進的な潤滑油添加剤への取り組みを強化すると発表した。中国市場において、環境に優しい製品に対する需要が高まる中、ランクセスのルブリカントアディティブス（ＬＡＢ）ビジネスユニットは、市場ニーズに対応した革新的なソリューションを提供し、市場への注力を強化している。
中国における潤滑油添加剤の需要は、昨年の大幅な在庫調整の後、回復が見込まれている。ＬＡＢビジネスユニットのアジア太平洋地域責任者であるジェニファー・リューは次のように述べている。「ランクセスの顧客は現在、在庫の補充ではなく、実際の需要に合わせた生産を行っています。持続可能性は中国国内においても重視されています。ランクセスの持続可能な淡色硫黄キャリアやその他の環境に優しい製品は、中国市場の需要を満たしており、市場での地位を確固たるものにしています」
ランクセスは持続可能な淡色硫黄系極圧添加剤の生産能力を拡大し、中国におけるこれらの製品に対する需要の高まりに対応している。硫黄系極圧添加剤は、バッテリーケース塑性加工油などの用途に不可欠であり、様々な産業向け潤滑油の重要な添加剤になる。また、50％以上が持続可能な原料で構成される「スコープブルー アディティンＥＰ」は、金属表面の摩耗を低減し、冷間溶接を防止する環境に優しい性能を持つ。ランクセスは生産能力を増強することで中国でより良いサービスを提供し、厳しい持続可能性基準を満たす製品を提供することができる。
ランクセスの潤滑油製品ポートフォリオには、風力タービンや高速鉄道システムなどのハイテク用途向けの潤滑剤が含まれる。ジエステルおよびポリオールエステルを特徴とする「ハトコール」製品群は、高い純度と耐熱性をもたらし、風力タービンの性能と寿命を向上させる。さらに、「アンデロール」コンプレッサーオイルは、中国でも高速鉄道のブレーキシステムに使用され、安全性の高い効率的な運転を実現している。航空分野では、ＣＯＭＡＣ Ｃ９１９型機に潤滑油を供給しており、厳しい安全・性能基準を満たすランクセスの専門知識を示している。「ロイコ」油圧作動油は、最適な耐摩耗性と耐腐食性を備え、幅広い温度範囲で最適な性能を発揮する。これらの作動油は高い要求基準を満たし、厳しい条件下でも信頼性の高い作動を可能にする。ランクセスは、これらの高品質な潤滑剤により安全性と効率性を高める製品を提供し、成長を続ける中国の航空産業を支援している。
「アンデロール」を食品加工環境向けに調合した食品グレード潤滑剤は、ランクセスが提供するもう一つの重要な製品である。これらの高性能食品グレード潤滑剤は、ＮＳＦ Ｈ１認証を取得しており、食品と接触する可能性のある用途に適している。さらに、コーシャおよびハラール認証を取得しており、多様な法律に準拠している。これらの潤滑剤は、優れた潤滑と保護を提供することで機器の寿命を延ばすだけでなく、生産効率の向上も促進し、食品産業における安全性と信頼性の維持に不可欠な要素となっている。
中国・上海のランクセス・アジア太平洋アプリケーション開発センター内にあるＬＡＢは、イノベーションの拠点として、現地での研究開発に注力している。同ラボは、ＰＵ－ＣＳＣハイブリッドグリースを世界で初めて開発し、世界特許（ポリウレア-カルシウムスルホネートコンプレックス）を取得するなど、世界的な評価を得ている。既存のＰＵグリースに代わる製品となる可能性や、ＣＳＣグリースを新たな市場や用途に拡大する可能性を秘めたこのイノベーションにより、ランクセスの製品は、製鉄所や電気自動車用途を含む中国市場の特殊な要件に適合している。
