東ソーらがNEDO採択 CO2分離回収プロセスの実用化

2024年08月29日

ゴムタイムス社

 東ソーは8月28日、同社、京都工芸繊維大学(繊維学系、谷口育雄教授)、東京工業大学(物質理工学院応用化学系、小玉聡助教)、および再委託先としてキッツマイクロフィルター、東京農工大学(大学院工学研究院応用化学部門、兼橋真二准教授)が、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/CO2分離・回収技術の研究開発/二酸化炭素分離膜システム実用化研究開発」プロジェクトの公募に対し、「革新的CO2分離膜モジュールによる効率的CO2分離回収プロセスの実用化検討」を共同で提案し、採択されたと発表した。同事業の委託期間は2024年5月~2026年3月までとなる。
 採択されたプロジェクトの技術開発は、火力発電所や化学産業、セメント産業、鉄鋼産業といった、CO2濃度が10%を超える工程ガスや排気ガスを対象に進めていく。
 共同事業者は、2020年度から実施しているNEDO事業において、アルカノールアミンを高分子マトリックスに担持した高分子膜材料で構成されるCO2分離中空糸膜モジュールの開発に取り組むとともに、同社に設置したベンチ設備を活用し、実際の火力発電所から排出される排ガスを使用した実ガス評価によるCO2分離膜モジュールの耐久性試験を行い、その安定性を確認した。
 これまでの成果を踏まえ、同事業では、さらなる技術開発を進めるため、ベンチ試験用CO2分離膜モジュールの研究開発、CO2分離膜モジュールのベンチ試験、膜分離システムの社会実装検討の3点に重点を置いて研究を推進していく。
 共同事業者は、気候変動問題の解決に貢献すべく、温室効果ガス(GHG)排出量削減に向けた取り組みを強化している。エネルギー使用の効率化や、GHG排出量の削減、さらにはCO2の分離回収・原料化による有効利用技術の開発を推進し、中長期的な視点で持続可能な社会の実現に貢献していく。今後も引き続き、技術開発を通じて、環境保全と事業成長を両立させる取り組みを進めていく。

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