三菱ケミら、次世代ラボ実現に向け 機器間の通信・相互運用規格の適用推進

2024年08月30日

ゴムタイムス社

 三菱ケミカルグループおよび一般社団法人日本分析機器工業会(以下「JAIMA」)は、デジタルトランスフォーメーション(以下「DX」)を通じた次世代ラボの実現のため、ラボ用実験機器や分析機器などプラットフォームが異なる機器間での相互運用性を支える通信規格Laboratory and Analytical Device Standard(以下「LADS」)OPC UAについて、共同でPoC(Proof of Concept:概念実証)を実施し、有用性の検証および普及に向けた取り組みを行うことに合意したと発表した。
 ラボでは、材料開発のためのデータの取得、管理や解析において、質と量の両面での飛躍的な向上を目的として、実験環境のデジタル化や自動化が推進されている。しかし、現状では大半の実験機器がスタンドアロンでの運用を想定されており、外部との通信機能が無い、あるいはメーカー独自の通信プロトコルやソフトウェアが必要であることが、さらなるデジタル化や自動化を進めるうえでのボトルネックになっている。
 両者は、これらのボトルネックを取り除き、ラボのDXをより推進するため、国内初となるラボ用機器の通信および相互運用規格の適用に向けた取り組みを行い、LADS OPC UAの早期普及を目指す。LADS OPC UAを導入し、多くの実験機器をプラグ&プレイでつなぐことで、容易かつセキュアに実験機器の遠隔監視・制御やデータの取得蓄積が可能になる。さらに、複数の実験機器や研究者間の効率的な連携も可能となるため、自動化にかかる時間やコスト、技術的な制約を減らせる。
 両者はこの取り組みを通じて、研究開発に適した柔軟な次世代型ラボシステムを容易に構築できるようにすることで、ラボのDXを促進し、材料開発の加速に貢献していく。また、LADS OPC UAの本取り組みについて、2024年9月4日~6日に幕張メッセ国際展示場で開催予定のJASISに出展し、紹介する予定となっている。

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