三井化学は9月2日、トナー用バインダー向けのスチレンアクリル樹脂、およびポリエステル樹脂事業からの撤退を決定したと発表した。生産停止する製造拠点は茂原分工場で、2025年度上期を以て生産を停止する予定としている。同社はICTソリューション事業本部 コーティング・機能材事業部においてトナー用バインダー向けのスチレンアクリル樹脂、およびポリエステル樹脂事業を展開しているが、価格競争の激化、原材料の価格高騰、および、コロナ渦以降の働き方変容に伴う印刷需要の縮小により、事業採算は極めて厳しい状況となっている。こうした状況に対応し、あらゆる合理化・コストダウン等に取り組んできたが、事業を継続するための収益確保が困難と判断し、撤退することを決定した。
同社は長期経営計画「VISION 2030」において「未来が変わる。化学が変える。」をありたい姿に掲げ、 事業ポートフォリオの変革を基本戦略として高成長・高収益のグローバルスペシャリティケミカル事業と、競争力のある誘導品を中核としたサステナブルなグリーンケミカル事業の2つを大きな柱とする、真のグローバルスペシャリティカンパニーを目指している。
2024年09月03日