三菱ケミカルグループは9月9日、トリアセテート繊維事業をGSIクレオスへ譲渡することで合意し、同日付で最終契約書を締結したと発表した。
同社グループは、グローバルな主要トレンドを踏まえた注力市場をターゲットに、市場の成長性・競争力・サステナビリティにフォーカスしたポートフォリオ運営を推進している。
トリアセテート繊維は天然パルプ由来の植物繊維を化学的に処理してつくる半合成繊維で、世界で同社グループのみが生産している。その素材特性から国内外のアパレル市場に高く評価されており、今後も一定の需要伸長が期待できることから、ベストオーナーのもとで持続的に事業を成長させていくことが最善だと判断し、今般の事業譲渡を決定した。
譲渡内容は、トリアセテート繊維「ソアロン」原糸と生地の製造・販売で、同社富山事業所(富山市)の生産設備と、原糸加工を行う同社グループの完全子会社の菱光サイジング(福井県)が対象となっている。トリアセテート繊維の用途は中高級婦人衣料、フォーマル衣料などに使用されている。
譲渡先の会社名はGSIクレオス、所在地は東京都港区芝3ー8ー2芝公園ファーストビル16階、資本金は71億8600万円、連結売上高は1461億9400万円(2024年3月期)、連結従業員数は658名、事業内容は各種糸・生地、インナー・アウター製品などの繊維事業、機械・化学品・ホビー商材・半導体関連商材・カーボンナノチューブなどの工業製品事業、譲渡日は2025年3月3日(予定)となる。