クラレは9月9日、同社が販売する細胞固定化担体PVAマイクロキャリア(製品名:スキャポバR)の応用範囲の拡大と顧客接点の強化を目的に、細胞培養に特化した都市型研究拠点「東京ラボ」を、2024年9月4日に開設したと発表した。
同社は、再生医療用の細胞培養に向けたPVAマイクロキャリアを開発し、2024年3月に理化学用途限定で国内発売した。これまで、同社つくば研究センターで研究を進めていたが、取り扱える細胞や設備に限りがあること、都心からのアクセス面に課題があることから、細胞培養を主としたライフサイエンス専門の実験設備を備える都市型研究拠点を新たに設けた。
「東京ラボ」は、東京女子医科大学と早稲田大学による医理工融合を目的とした先端生命医科学研究教育施設(TWIns)内にある。顧客が実際に培養方法を見て、理解を深める都市型のオープンラボである。顧客とのコミュニケーションを密にしながら、自社の実験設備による迅速なデータ取得や実用性の高いアプリケーションの開発が可能となる。
また、TWInsに在籍する再生医療領域の先頭を走る研究者や入居する他企業も含め、多くの人・企業とコラボレーションすることで、新しい技術開発を加速させる狙いもある。
将来的には、同社素材および技術のライフイノベーション領域への展開を検討する機能性評価ラボとしての役割も担いたいと考えている。
2024年09月10日