豊田合成が音の体感システム開発 設計段階でシーリング部品の最適解を提案

2024年09月17日

ゴムタイムス社

 豊田合成は9月13日、車内の静粛性向上などを通じて、より快適な移動空間の創出に貢献するため、車両に搭載するシーリング部品(ウェザストリップ)の組み合わせに応じた車内の音の変化を体感できる新たなシステムを開発したことを発表した。

 現在普及が進む電気自動車や燃料電池車は、モーターで駆動するため、エンジン音がなくなり静粛性が増す一方、走行中の風切り音やロードノイズなどが耳につきやすくなり搭載部品の遮音性向上が求められる。同社はこのニーズに対応するため、騒音などの侵入を防ぐシーリング部品の性能を高める開発に注力している。

 今回開発したシステムでは、新型車に搭載する部品の形状などを決める前(設計構想)の段階で、開発中のシーリング部品を搭載した際の走行中の音の聞こえ方を体感することが可能。これにより、最適な部品の組み合わせを提案することで、より静かな車内空間づくりに貢献していく。加えて、従来の試作車両での性能評価の際に生じていた部品の設計変更が最小限になり、開発工数の低減が期待できる。

 本システムは、これまで同社が培ってきた音の実測評価技術を活用することで実現した。今後、人工知能(AI)による機械学習を組み合わせて予測精度をさらに高め、部品の試作前でも音の聞こえ方を予測・再現できるようにする計画。車両開発の早期段階で静粛性を高める製品を提案することで、より静かで快適なモビリティ社会の実現を目指していく。

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