ブリヂストンがプロジェクト参画 パラゴムノキ根白腐病予防の共同研究を開始

2024年09月18日

ゴムタイムス社

 ブリヂストンは9月13日、福岡バイオコミュニティが実施するプロジェクトに参画し、九州大学とインドネシア国家研究イノベーション庁(Badan Riset dan Inovasi Nasional(BRIN))と共同で、パラゴムノキの根白腐病に対する予防技術を開発し、天然ゴム農園の生産性向上に貢献する研究を開始したと発表した。
 同社は、サステナビリティを経営の中核に据え、持続的な価値創造の基盤構築に取り組んでいる。同プロジェクトは、商品を「創って売る」、「使う」、原材料に「戻す」というバリューチェーン全体で、カーボンニュートラル化、サーキュラーエコノミー、ネイチャーポジティブの実現とビジネスを連動させる独自のサステナビリティビジネスモデルを確立する取り組みの一環として、「天然ゴムの持続可能な利用に向けた活動」を強化し、ネイチャーポジティブへの貢献に挑戦するものとなる。
 天然ゴム資源であるパラゴムノキの病害である根白腐病は、原因菌が根に感染し、組織を腐敗させることで樹木を枯死に至らしめる病気となる。発症が分かりにくく、発見の遅れが生じやすいため、天然ゴムの持続的な安定供給に対する課題となっている。この根白腐病原因菌への感染予防技術の開発に取り組むことにより、天然ゴムの収量安定化及び、天然ゴム農園の生産性向上を目指す。
 九州大学とBRINが、植物内や土壌中にある原因菌の繁殖を抑制する微生物や物質の候補を選定し、同社がインドネシアの自社農園においてそれらを用いた感染予防技術の実証を行う。2030年までに予防技術を確立するとともに、将来的にはこの予防技術や培ったノウハウの小規模農家への展開、運用を支援することで、天然ゴムの生産を支える小規模農家の生産性および生活の質の向上に貢献し、天然ゴムの持続可能なサプライチェーンを構築していく。
 同社は、創業の地である福岡県、および久留米市が連携して推進する福岡バイオコミュニティの中で同プロジェクトを主導し、産学官が連携した共創を推進することで、企業コミットメント「Bridgestone E8 Commitment」で掲げる「Ecology 持続可能なタイヤとソリューションの普及を通じ、より良い地球環境を将来世代に引き継ぐこと」にコミットしていく。

調印式の様子

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