住友理工は9月18日、生産工程で使用する金型に放熱防止効果のある遮熱塗料を採用し、金型の消費電力を抑えることにより、同社グループ全体でCO2の排出量を年間約1000t削減(2020年度比)したことを発表した。2050年までにCO2排出量を実質ゼロとする「カーボンニュートラル」を目指しており、その取り組みの一環として実施した。また、国内サプライヤーと同取り組みを新たに協働開始し、サプライチェーン排出量の基準の1つであるScope3でのCO2排出量削減も推進していく。
同社で遮熱塗料を塗装した金型は、主力製品である「防振ゴム製品」において、加硫を行う際に使用する金型。金型からの放熱には、気体(空気)や液体によって伝わる「対流熱」と、電磁波によって伝わる熱「放射熱」があり、サーモグラフィによる測定で高い放射率(熱)を確認した。そこで、放射率を抑える「遮熱塗料」に着目し、高温域でも効果を得るための配合選択を行い塗装することにより、放射率の大幅な減少と共に金型の加熱が抑えられ、消費電力を約15%削減することができた。2021年度から国内で当取り組みを開始し、現在、海外のグループ会社にも展開している。2023年度は、グループ全体で年間約 1000tのCO2排出量削減(2020年度比)を達成し、2024年度以降も全拠点展開に向け加速していく。
また、2024年度から、一部国内サプライヤーの金型にも遮熱塗料を塗装する取り組みを展開し、協働でCO2排出量削減を推進している。同社グループでは、経営ビジョン「2029年住友理工グループVision(2029V)」において、2029年度までにScope1+2のCO2排出量30%減(2018年度比)およびScope3のCO2排出量15%減(同)を目標としている。目標を達成するため、同社グループだけでなく国内サプライヤーとの取り組みを拡大し、省エネに向けた活動を続けていく。
同社グループでは、2029Vで描いたありたい姿「理工のチカラを起点に、社会課題の解決に向けてソリューションを提供し続ける、リーディングカンパニー」を実現すべく、中期環境目標「環境 2029V」を策定した。今後も環境へのインパクトを抑えて「脱炭素社会」「資源循環型社会」「自然共生社会」に貢献するとともに、事業の成長・新しい価値の創造に挑戦していく。