出光興産が総合防災訓練実施 巨大地震と大規模停電を想定

2024年09月25日

ゴムタイムス社

 出光興産は9月24日、「総合防災訓練」を9月20日に実施したと発表した。南海トラフ巨大地震および中部地域における大規模停電の発生と長期化を想定したシナリオにより、複合災害への対応を確認した。
 同社は、災害対応力の強化を図ることを目的とし、2007年から総合防災訓練を毎年実施している。18回目の開催となる今回は、南海トラフ巨大地震(東側半割れケース)および中部地域における大規模停電の発生と長期化を想定したシナリオを採用し、気象庁による「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)」が発表された前提のもとで、複合災害発生時の対応を確認した。
 訓練では、本社に対策本部を設置するとともに、国内の各支店や製造拠点とオンラインで連携し、参加者193名が情報の収集と伝達、対応策の立案等を行った。また、地震発生から3日後の後発地震(西側)の発生シナリオも加えた二部構成とし、複雑な想定のもとで対応状況を確認した。
 生活に欠かせないエネルギーの安定供給を使命とする同社は、巨大地震等の災害発生時においても事業の継続を確保し、被災者の救援と被災地の早期復興に貢献できるよう、南海トラフ巨大地震および首都直下地震を想定した事業継続計画(BCP)を策定している。また、総合防災訓練を通して課題を抽出し、更なる改善と対策を実施していく包括的事業継続マネジメント(BCM)にも取り組んでいる。今後も様々な想定のもとでの訓練を継続的に実施し、実践的な災害対応力の強化に努めていく。
 対策本部長(代表取締役社長 木藤俊一)の講評は以下の通り。
「今回は、東西で時間差のある地震発生に加え、大規模停電が発生し長引くという厳しい状況が重なり合った場合の対応を確認した。8月には南海トラフ臨時情報(巨大地震注意)が発表され、当社でも対策本部を設置して対応にあたった。危惧される巨大地震への備えをより一層真剣に考えていく必要がある。
当社はエネルギーの安定供給により、人々の生活や経済活動を支えている。カーボンニュートラル社会に向けた変化の中でも、その役割は将来にわたって変わらない。製造・物流・販売を含めた連携を日ごろからシミュレーションすることが必要。エネルギー基本計画の中でも、従来に増してエネルギーの安定供給、S+3Eの重要性が改めて見直されている。これを当社が担っていくことを再認識し、各部門での振り返りの実施と対策立案をお願いしたい。」

対策本部連絡会議の様子

対策本部連絡会議の様子

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