レゾナックがソイテックと締結 半導体向け基板の共同開発

2024年09月25日

ゴムタイムス社

 レゾナックは9月24日、先進的な半導体基板材料を製造するフランスのソイテック社と、パワー半導体に使用する200mm(8インチ)炭化ケイ素(SiC)エピタキシャルウェハー(SiCエピウェハー)の材料となる8インチSiC貼り合わせ基板の共同開発契約を締結したと発表した。
 同社の高品質なSiC単結晶基板とソイテック社の基板貼り合わせ技術を組み合わせることで、8インチSiCウェハーの生産性を向上し、SiCエピウェハービジネスでのサプライチェーンの多様化を目指す。
 パワー半導体は、電動車(xEV)や産業機器などのパワーアプリケーションにおいて、幅広い用途で採用され、今後さらなる市場規模の拡大が見込まれている。特に、SiCはシリコン(Si)に比べ、電力変換時の電力損失や熱の発生が少なく、省エネルギー化に貢献するため、需要が急拡大している。しかしながら、SiCパワー半導体の主要材料となるSiC単結晶基板は、均一な結晶であることが求められ、その生産には、高度な技術が必要、かつ結晶成長に時間を要することから、生産性向上が課題となっている。
 同社は、SiC単結晶基板にエピタキシャル層を成長させたSiCエピウェハーを生産しており、世界最高水準の品質として、国内外のデバイスメーカーから高い評価を得ている。また、8インチの大口径化を進めており、サンプル出荷を開始している。
 ソイテック社は、高品質なSiC単結晶基板を加工し、その加工面をサポート基板となる多結晶SiCウェハーに貼り合わせ、単結晶基板を薄膜分割することで、1枚のSiC単結晶基板から複数の高品質SiCウェハーを生産する独自技術(SmartSiC技術)を保有している。この技術は、生産性の向上に加え、SiCウェハー製造時のCO2排出量を最大70%削減できるため、環境負荷および、コスト面においてもメリットがある。
 貼り合わせ基板技術は、Siウェハーにおいて既に実用化されており、ソイテック社は同技術実用化の知見を有している。
 同共同開発において、同社は、ソイテック社にSiC単結晶を供給し、ソイテック社は、その単結晶を使ってSiC張り合わせ基板を製造する。両社の共創により、8インチSiCウェハーの生産性を向上し、SiCエピウェハービジネスでのサプライチェーンの多様化を目指す。

SiCエピウェハー

SiCエピウェハー

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