ダイセルが機能性食品素材を販売 ホップ由来腸内代謝物で

2024年09月27日

ゴムタイムス社

 ダイセルは9月26日、ホップに含まれるフラボノイド「キサントフモール」の腸内代謝物である機能性食品素材「ホップ抽出発酵物」(製品名:アストロホップ)の販売を開始したと発表した。アストロホップの機能性成分である「8-プレニルナリンゲニン」は全身に循環し、継続摂取することで組織に蓄積されて機能性を発揮する成分である。
 8-プレニルナリンゲニンは、フラボノイド「キサントフモール」が、ヒト腸内の腸内細菌によって代謝されてつくられる物質のひとつで、加齢に伴う筋萎縮抑制、筋量の回復促進、アミノ酸取り込みの促進が期待される機能性食品素材である。少量で機能性を発揮するため、サプリメント形状だけではなく飲料や食品など様々な形態に配合しやすい注目の筋肉への訴求素材になる。
 日本の総人口に占める高齢者の割合(高齢化率)は29%と高齢化が顕著になっている。また、日本の平均寿命と健康寿命の差は男性8・73歳、女性12・07歳もある。平均寿命と健康寿命の差を縮めることでいつまでも自分らしく過ごすことができる。65歳以上の介護が必要となった主な原因は、「骨折・転倒」、「関節疾患」、「高齢による衰弱」といったサルコペニア(加齢に伴う筋肉量の減少および筋力低下)、フレイル(加齢で心身が衰えた状態。虚弱、老衰、脆弱)関連の割合が37・3%となっている。健康寿命にも関わるサルコペニアにならないために、「栄養」と「運動」は重要な要素。その2つの要素に活用できる、筋肉へのアミノ酸の取り込みを高め、筋萎縮を抑制するアストロホップで人生100年時代、Better Agingを目指す。
 アストロ=宇宙、ホップ=ホップ素材の腸内代謝物という意味である。宇宙空間は微小重力(筋肉に負荷がかからない)のため、帰還直後の宇宙飛行士は筋萎縮状態になっている。そのような状態になる宇宙でも活躍できるようにとの想いを込めて名前をつけた。
 今後の展望として、アストロホップは、現在、筋機能に関するヘルスクレーム取得(機能性表示食品取得)を目指すためにヒト試験の準備をすすめている。他の機能性についても複数の大学で研究中である。今後もさらなる機能性解明に向けて取り組み、提供していく。
 2024年10月に開催される食品開発展において、セミナーをはじめブースでも紹介する。

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