三菱ケミが東大と共同研究 日本の化学産業でレポート

2024年10月08日

ゴムタイムス社

 三菱ケミカルは10月7日、グローバル・コモンズ(地球環境や生態系、自然資源など、地球規模で人類が共有している財産)の保全に向けた東京大学との共同研究の成果について発表した。
 同社は、2020年8月に東京大学が設立したグローバル・コモンズ・センターのミッションに賛同し、2021年4月1日より共同研究を行ってきた。
 この共同研究では、グローバル・コモンズを守るための化学産業の役割について研究を行っている。このたび、その成果をまとめた研究レポート「持続可能な地球の未来を築く日本の化学産業」が同日に東京大学から発表された。
 同共同研究では、サステナブルな社会の実現に向けて、化学産業自らの環境負荷低減に加えて、他の産業や消費者のために化学産業が果たすべき役割、解決すべき課題を検討し、行うべきビジネス、そして化学産業自身に必要な転換への道筋を明らかにすることを大きな目的としている。
 東京大学グローバル・コモンズ・センターと同社グループは、同共同研究の成果として2022年9月に世界の化学産業のネットゼロへの道筋を示すレポートを発表した。今回、新たに発表された同レポートはその後続版であり、日本の化学産業にフォーカスしている。
 日本の化学産業がスコープ1・2・3のネットゼロを実現するための道筋を、査読付き学術論文の内容に基づいて定量的に示している。
 加えて、ネットゼロ化学品に対する将来の需要や、その製造に適した技術などの様々な不確実性が存在する中でも前進できるよう、ネットゼロを実現するための戦略やアクションを日本が持つ強みと弱みを踏まえて提示している。
 同社グループは、日本の化学産業がネットゼロを実現するための道筋を、スコープ1・2のみならずスコープ3の上流・下流も含め、かつ、日本や日本の化学産業に特有な背景も踏まえて解析したこの前例のないレポートの幅広さと深さを高く評価するとともに、この画期的な研究に共同で取り組んだ意義を重視している。
 この研究成果を同社グループ内にとどめることなく、社会と広く共有し、幅広いパートナーと協力関係を築きながら、ネットゼロの世界における化学産業の新たな役割を追求していくとしている。

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