旭化成がAquafil社と覚書締結 ケミカルリサイクルPA6使用で

2024年10月09日

ゴムタイムス社

 旭化成は10月8日、イタリアのAquafil社が提供するケミカルリサイクルポリアミド6の「ECONYL」を使用するための覚書(MOU)を締結したことを発表した。
 締結に伴う取り組みとして、同社のセルロースナノファイバー(CNF)を用いた3Dプリンター用樹脂材料(フィラメントおよびペレットを想定)にAquafilの「ECONYL」を適用した製品を開発予定であり、環境に配慮した素材を自動車、航空宇宙をはじめとする幅広い分野に提供していくとしている。

 Aquafilが製造する「ECONYL」は、使用済みの漁網やカーペットを原料とした廃ポリアミドを、モノマーに解重合し、再度重合されたケミカルリサイクルPA6。また、同社が独自開発した耐熱性の高いCNFと「ECONYL」をベースポリマーにコンパウンドした3Dプリンター向け樹脂材料は、AquafilおよびAquafilへ資本参画を行っている伊藤忠商事との協業により実現したものであり、 優れた造形性と強度を有し、今後精密な造形精度と強度が求められる分野への適応が期待される。それらの素材を組み合わせることで、環境への配慮を行いつつ、造形性や強度を両立する材料を目指す。

 開発品は10月15~19日に開催されるFakuma(ドイツ・Messe Friedrichshafen)、10月29~31日に開催されるサステナブルマテリアル展(幕張メッセ)、11月19~22日に開催されるFormnext(ドイツ・フランクフルト国際見本市会場)の3つの展示会に出展する。

 同社が開発を進めている天然資源由来原料のCNFとケミカルリサイクルPA6「ECONYL」を組み合わせたモノづくりを通して、昨今の市場ニーズに合致したサステナブルな価値を、2025年から欧州、米国、および日本より先行して提供していくことを予定している。

CNFを用いた3Dプリンター用樹脂フィラメント(開発品)

CNFを用いた3Dプリンター用樹脂フィラメント(開発品)

開発品を用いた3Dプリンター造形品

開発品を用いた3Dプリンター造形品

旭化成

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