東洋紡エムシーがエラストマー開発 原料にバイオマス由来成分

2024年10月10日

ゴムタイムス社

 東洋紡エムシーは10月9日、原料の一部にバイオマス由来成分を使用した、熱可塑性ポリエステルエラストマー(TPC)「ペルプレン」エコシリーズを開発し、サンプルワークを開始したと発表した。本格販売は25年4月を予定している。また、10月29日から3日間幕張メッセで開催される「第4回サステナブル マテリアル展-SUSMA-」にも開発品を出品する。
 同社の「ペルプレン」は、常温ではゴム弾性を示すが、加熱すると通常の熱可塑性プラスチックと同様に成形加工ができる材料で、耐熱性、耐薬品性、屈曲疲労性、リサイクル性に優れ、これまで自動車部品や電線被覆材、日用品などに採用されてきた。同社の三次元網状繊維構造体「ブレスエアー」にも、「ペルプレン」が使用されている。
 昨今、脱炭素社会の実現に向けて、化石由来資源の使用削減、温室効果ガスの排出抑制が求められ、より環境適合性の高い素材へのニーズが高まっている。このたび開発した「ペルプレン」エコシリーズは、原料の一部に植物由来のバイオマス素材を使用しながら、化石由来の従来品と同等の物性を有するバイオマスプラスチックである。
 初回サンプルではバイオマス比率が25%、55%の2グレードを用意し、今年9月よりサンプルワークを開始した。用途としては、自動車部品(内装材など)のほか、スポーツ用品、アパレル関連製品、ウレタン代替を目的とした日用品などを想定している。
 加えて、同社のエンジニアリングプラスチックでは、高機能ポリアミド「グラマイド」、熱可塑性ポリエステル「バイロペット」でも環境対応製品のラインアップを進めている。「グラマイド」ではエアバッグ製造時に回収した基布や原糸の端材を原料に用いたグレードを検討。「バイロペット」ではフィルム製造時の工程端材、ペットボトルのリサイクル材を原料に使用し、従来の高機能コンパウンド技術と組み合わせて、さらなる付加価値向上に取り組んでいる。
 今後も同社は、環境負荷低減に寄与する素材の提供を通して、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していくとしている。

「ペルプレン」エコシリーズのペレット

「ペルプレン」エコシリーズのペレット

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