旭化成エレクのDCコンバーター 藤倉コンポのセンサーに採用

2024年10月10日

ゴムタイムス社

 旭化成エレクトロニクスは10月9日、同社が開発・量産している極めて低消費電力かつ低電圧で駆動する昇圧DC/DCコンバーター「AP4470」が、藤倉コンポジットが開発した「バッテリーレス液体検知センサ」に採用されたことを発表した。

 同社が開発したAP4470は、DC/DCコンバーターの低消費電力化により僅か1μWの入力電力に対しても昇圧動作が可能で、センサーや通信などの機能を実現することができる。必要となる電力は数滴の水など、身の回りの様々なものから得ることができ、これにより自立電源のエナジーハーベスティング(環境発電)分野のセンサーなどでの使用が期待されている。

 藤倉コンポジットは、センシング技術において長年の経験と実績を持ち、様々な産業向けに高性能なセンサーソリューションを提供しており、今回開発した「バッテリーレス液体検知センサ」は、外部電源を必要とせず、さらに電池レスで動作する画期的なセンサーとなる。これまで広く使われていた有線のセンサーでは作業員による設置作業が必要だったが、本製品はその作業が不要になり、配線や電源の設置が困難な場所や、コスト削減が求められる用途に適している。同社は、このソリューションは水道管の老朽化による漏水検知や、河川の水位監視など、インフラ用途においても大きな可能性を秘めているとされ、迅速かつ効率的な水害対策やインフラ維持管理を支援していくとしている。

 AP4470をはじめとする同社のエナジーハーベスティングICは、水のみならず、室内光や体温といった身の回りに存在するわずかな環境エネルギーを収集し、電子デバイスを動作させることが可能。また、部品点数を減らせるため、IoTデバイスの小型化にも貢献する。同社は、各種センサーや無線通信を行うビーコンなど、これまで実現が難しかったアプリケーションの開発を支援していくとしている。

藤倉コンポジット社 「 バッテリーレス液体検知センサ 」

藤倉コンポジット社 「 バッテリーレス液体検知センサ 」

昇圧DC・DCコンバーター「AP4470」

昇圧DC・DCコンバーター「AP4470」

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