三井化学らがOPPフィルム開発 水平リサイクルで量産化可能

2024年10月11日

ゴムタイムス社

 TOPPAN、アールエム東セロ、及び三井化学の三社は10月10日、2023年8月より、印刷済のOPPフィルムを元の軟包材フィルムに水平リサイクルする共同実証試験を行っているが、このたび、量産化が可能となるリサイクルOPPフィルムを開発したと発表した。2024年10月よりサンプル提供を開始する。
 具体的には、TOPPANにて発生した印刷後の廃棄フィルムを回収し、三井化学名古屋工場にてインキを除去してペレット化し、アールエム東セロにてフィルム化。再生したフィルムはTOPPANのパッケージ工場において量産検証を行い、量産加工適性(印刷・ラミネート・製袋)があることを確認した。また同時にパウチとしての物性評価も行い、パッケージとして機能を確認している。
 なお、同サンプルは2024年10月23日~25日に開催される「TOKYO PACK2024ー2024東京国際包装展ー」(会場、東京ビッグサイト)のTOPPANブース(東ホール・小間番号2U09)、三井化学ブース(東ホール・小間番号1R07)に展示する。
 日本政府が提唱するプラスチック資源循環戦略では、プラスチック資源について、2025年までにリユース・リサイクルが可能な材質構成に置き換えること、また2030年までに容器包装の6割をリユース・リサイクルすること、プラスチック資源の再生利用を倍増することなどのマイルストーンが策定されている。2025年を重要な起点として、関連する企業は2030年に向けて、リユース・リサイクルの取り組みを拡大させて行く必要がある。
 三井化学は2022年5月に、軟包材コンバーターで発生する廃棄フィルムを回収し、インキを除去してペレット化し、軟包材フィルムに再生する取組みである「RePLAYERーRenewable Plastics Layer Systemー」の取り組みを開始した。同年12月からは三社が、共同で同実証試験の基礎検討を開始。2023年度は、本格的な共同実証試験を開始し、印刷やラミネート、製袋に関する量産加工適性を確認するとともに、シール強度や引き裂き強度などパウチとしての物性条件をクリアしたことから、このたびパウチサンプルとして提供を開始する。

リサイクルOPPフィルム

リサイクルOPPフィルムを使用したパウチ

 

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