積水化学工業の高機能プラスチックスカンパニーは10月10日、多賀工場(滋賀県犬上郡多賀町)において、ディスプレイや機構部品の回路接続に使用されている導電性微粒子「ミクロパール AU」の生産能力を増強することを決定した。稼働開始は28年度上期より計画し、投資総額は約20 億円としている。
導電性微粒子「ミクロパールAU」は、均一粒子径の樹脂粒子に金属被覆した製品で、電子部品と基板間の導通やギャップ形成を目的とし、主に液晶や有機ELディスプレイ(OLED)のガラス基板上の電極とICチップの電極などを電気的に接続する異方導電フィルム(ACF)に使用されている。
また、同社独自の生産技術による高品質の製品を実現し、μ LEDなどの次世代ディスプレイや車載分野へ展開している。
今後も、これらの高付加価値用途は継続的な需要拡大が見込まれることから、生産能力増強と品質管理レベルの強化を図るとしている。
導電性微粒子ミクロパール AUは、さらに品質レベル向上に取り組み、ディスプレイ分野、車載分野以外に半導体分野など、さまざまな分野に拡大を図っていく。今後も、高機能で高付加価値な製品の開発・提供を通じて、より快適で便利なくらしとサステナブルな社会の実現に向けて取り組んでいくとしている。