三菱ケミが長崎で運用開始 地下水膜ろ過システムを

2024年10月15日

ゴムタイムス社

 三菱ケミカルグループは10月11日、三菱ケミカルアクア・ソリューションズ(MCAS)の地下水膜ろ過システムが、2024年10月14日に開業する長崎スタジアムシティに導入し、運用を開始すると発表した。
 同システムは、くみ上げた地下水を高度な膜ろ過処理で安全・安心な飲料水として供給する分散型自家用水道システムとなる。平常時は公共水道と併用することでコスト削減に貢献し、災害による断水時は代替水源として安定的に飲料水をはじめとした生活用水を確保できる。
 人工透析で継続的に水を使用する必要がある医療機関など国内で約1400件の導入実績があり、近年では南海トラフ地震に備えて事業継続を重視する食品工場や商業施設などにも導入が進んでいる。また、2016年に発生した熊本地震の際には公共水道が断水した地域において、同システムを導入していた施設から近隣住民に生活用水を供給した事例もあり、社会貢献に資する事業としても注目されている。
 今回同システムを導入する長崎スタジアムシティは、JR長崎駅から徒歩約10分の場所に立地し、サッカースタジアム、アリーナ、ホテル、商業施設、オフィスからなる大型複合施設となる。開業当初から多数の来客が見込まれており、特にイベント開催時に水の使用量が集中する際には、同システムと公共水道の併用によってコストを抑えながら安定的に給水することが可能となる。
 また、同システムは非常用電源系統に接続されており、災害による停電時・公共水道断水時でも各施設に給水を継続できる能力を有しているので、長崎スタジアムシティ全体のレジリエンス強化にも貢献する。
 同社グループの水関連事業は、同システムをはじめとして浄水器、工場排水処理、純水装置、分離精製など、上水から排水までワンストップで製品・ソリューションを幅広く展開しており、今後も水資源に関わる社会課題の解決に向けて技術開発を進めていくとしている。

導入されたシステム

導入されたシステム

長崎スタジアムシティ

長崎スタジアムシティ

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