帝人フロンティアの圧電組紐が採用 西川のセンサーマットレスに

2024年10月16日

ゴムタイムス社

 関西大学システム理工学部の田實佳郎教授と帝人フロンティアは10月15日、両者が共同で開発を進めている「圧電組紐」が、寝具メーカーである西川のセンサー搭載マットレス[エアーコネクテッド]SXマットレスに採用されたと発表した。
 [エアーコネクテッド]SXマットレスは、nishikawa公式オンラインショップをはじめ全国の取り扱い店舗にて同日から発売する。
 圧電組紐は、形状の自由度や耐衝撃性を生かし、タオルやシーツ、衣服など、さまざまなファブリック構造に組み込み可能な特長を活用した睡眠センサーとしても注目されており、今回はこの技術を生かした初の商品化となる。
 両者は高分子圧電体を組紐構造とすることで、耐衝撃・荷重性を持ち、衣服や寝具などの生地に組込み可能な「圧電組紐」の特長を活用したセンサー開発に取り組んできた。
 そして、この「圧電組紐」を最適なパターンでシーツ生地に刺繍することで、あらゆる寝姿に対応し、ソフトな質感により違和感なく睡眠時の呼吸や心拍が計測できる特長が認められ、このたび、西川が展開する睡眠時のバイタル信号を解析するセンサー搭載マットレス[エアーコネクテッド]SXマットレスに採用されることとなった。
 「圧電組紐」の特長は、自由な製品設計や、違和感なく安定したセンシングが可能という点。
 圧電繊維と導電繊維を円筒状に重ねた同軸構造なため、曲げや長さ、サイズなどの制限が少なく、さまざまなファブリック構造へ組み込めるなど、自由なセンサー形状設計が可能。また、組み込むファブリックに機能素材を使用することで、吸汗・速乾などの、さまざまな機能を付与可能となる。
 その他、耐衝撃・荷重性に加え、柔軟性とソフトな質感を持つため、「圧電組紐」を組み込んだシーツの上に人が寝た状態でも、睡眠を妨げることなく、脈拍や心拍数、体動情報(寝返り)などの健康状態に関する情報が計測可能。また、焦電性がなく室温や体温などの温度変化の影響を受けないため、信号安定性を有す。
 両者は、「圧電組紐」による可能性を追求し、さらに技術確立を進めることで、IoT社会の推進に貢献するとともに、さらに産学連携による従来にない価値の創出を強力に推進していくとしている。

エアーコネクテッド

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圧電組紐のジーンズ

圧電組紐のジーンズ

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