豊田合成が2倍に強化 ゴム資源循環工程の生産能力を

2024年10月21日

ゴムタイムス社

 豊田合成は10月18日、車に使用されるゴムの資源循環を加速させるため、森町工場(静岡県周智郡)のリサイクル工程の生産能力を2倍に強化したことを発表した。

 自動車業界では、鉄やプラスチックなどの資源循環が進む一方、ゴム製品はリサイクルが難しく、ほとんどが焼却処分(熱利用)されている。同社では、ゴム製品を高品質な原材料に再生できる独自の「脱硫再生技術」を用いて、21年度にリサイクル工程を稼働させ、製品の生産時に発生した廃材の活用を進めてきた。
 今回、2本目のゴムリサイクル工程の稼働により、生産能力が従来の2倍となる年間1,200トンとなった。新ラインでは、技術改良によりリサイクルしたゴムの品質も向上したことで、数パーセントだった新材への配合割合を、20パーセントまで引き上げ可能となった。これにより、森町工場で製造するオープニングトリムウェザストリップのほぼ全ての廃材をリサイクルできるようになった。

 同社は今後、リサイクルしたゴムは廃材と同種の合成ゴムを用いた他の製品にも適用していくとしている。さらに現在、天然ゴムなどにも視野を広げた技術開発も進めており、将来的には廃車からゴムを回収する循環システムの確立も目指している。今後カーメーカーなどとの連携を進め、ゴムのリサイクルにおいて業界をリードしていくとしている。

ゴムリサイクル工程(第2ライン)

ゴムリサイクル工程(第2ライン)

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