住友精化がCR技術実証へ SAPのパイロット設備建設 

2024年10月23日

ゴムタイムス社

 住友精化は、使用済紙おむつに含まれる吸水性樹脂(SAP)のケミカルリサイクル技術のパイロット設備を姫路工場(兵庫県姫路市)に建設する。稼働開始時期は26 年5月予定、生産能力は 約10kg/日、投資額は9億円となっている。
 同社ではパイロット設備を活用し、ケミカルリサイクル技術の工業的製造法の実証を進めていく。
 日本では、高齢化社会の進行に伴い紙おむつの消費量が年々増加しており、一般廃棄物に占める使用済み紙おむつの割合は、2030年度頃には約7%程度(推計)となる見込み。現在、廃棄される使用済紙おむつのほとんどが焼却処分される一方、焼却処理量の削減や資源循環の促進を目的として、使用済紙おむつの素材(パルプ、プラスチック、SAP)でさまざまなリサイクルの取り組みも行われている。ただ、SAPは、使用済紙おむつから分離した SAPを再び紙おむつに使用する「SAPの水平リサイクル」が実現できておらず、処理方法が課題。同社はこれら課題の解決に向け、同技術を実験室レベルで開発し、工業的製造法の確立を目指す。
 今後はパイロット設備での実証と並行しながら、資材分離などを受け持つパートナー企業と連携し、使用済紙おむつのリサイクルシステムの構築に取り組み、2030年度の社会実装を目指す。

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