三井化学は10月23日、同社の関係会社である錦湖三井化学のMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)増強生産設備が9月末に営業運転開始したと発表した。
増強生産設備の所在地は、韓国全羅南道麗水市、生産製品は、MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)、増強能力は、1年当たり20万t(1年当たり41万tから1年当たり61万tへ増強)となる。
MDIは、自動車部品や家具寝具、住宅や冷蔵庫の断熱材、弾性繊維や各種接着用原料など、多くの分野で使用している代表的なポリウレタン主原料。MDIの需要は、地球温暖化抑制のため各国で推進されている住宅建築の断熱性能向上の政策効果や、経済成長に伴う快適性向上要求の高まりにより、年率6%で増加していくと見込まれている。
錦湖三井化学は、自動車部品や弾性繊維、合成皮革等に使用する高機能MDI(モノメリック系及び変性MDI)と、断熱材等に使用する汎用MDI(ポリメリック系)を生産、販売している。今般の増強は、断熱材等の需要伸長はもとより、EV自動車を中心としたNVH(ノイズ・振動・ハーシュネス)制御に使用する高機能MDI需要の更なる拡大に対応するためのものとなる。
生産設備の増強に併せて、生産工程で発生する副生物を原材料として再利用するリサイクル設備を導入する。これは、原材料自給率の向上による大幅なコスト合理化に寄与するのみならず、工場からの排水量やサプライチェーン全体でのGHG排出量の削減を企図したものとなる。
錦湖三井化学はMDIのグローバルリーディングカンパニーを目指していく。同社は今回の最新鋭設備による増強によって、今後も成長が見込めるMDI事業の拡大と、更なる高機能化を進めていく。
2024年10月24日