東洋紡せんいが複合糸を開発 炭素繊維とポリカーボネート繊維を複合

2024年10月24日

ゴムタイムス社

 東洋紡せんいは10月23日、独自の複合紡績糸技術を応用し、炭素繊維と耐衝撃性や耐候性などに優れたポリカーボネート繊維を複合した熱可塑性の炭素繊維複合糸「CfC yarn」を新たに開発したことを発表した。10月29日~31日まで幕張メッセ(千葉県千葉市)で開催される「第4回サステナブルマテリアル展」の同社ブースにおいて初めて公開する。

 同社の「CfC yarn」は、炭素繊維と熱可塑性繊維を三層構造で組み合わせた炭素繊維複合糸。長年培った独自の複合紡績糸技術を応用した糸構造により、高い強度を得るのに必要な複合樹脂の含浸性と、用途に応じた多様な形状・デザインへの容易な成形を可能にする柔らかな糸の風合いを有するのが特長。

 同社は、本年5月、炭素繊維とナイロン繊維を複合した「CfC yarn」の第一弾製品を開発、発表。このたび新たに、耐衝撃性・耐候性・低吸水性・寸法安定性・透明性などに優れたポリカーボネート繊維を複合樹脂に採用した「CfC yarn」の第二弾製品を開発した。一般的にポリカーボネート繊維は粘度が高いため、含浸性を高めるのは困難とされていたが、「CfC yarn」独自の糸構造を生かすことで、熱可塑性炭素繊維複合材(CFRTP)に求められる高レベルの含浸性を実現した。

 ポリカーボネート繊維を複合した炭素繊維複合糸「CfC yarn」は、組紐(くみひも)やUDシート、織物やニットといった炭素繊維複合材向け中間基材への加工が可能。今後、炭素繊維複合材としての軽量性や耐熱性、高強度・高弾性といった特長に加えて、ポリカーボネートが持つ耐衝撃性や耐候性などの優れた特性が求められる、自動車や土木建築用資材をはじめとする幅広い用途向けに提案を進め、早期の実用化を目指していく。

 「第4回 サステナブルマテリアル展」の会期は10月29日~31日10:00~18:00(最終日のみ17:00終了)、会場は幕張メッセ(「高機能素材Week」内)、同社のブース番号は46-26。

CfCyarnの糸巻

CfC yarnの糸巻

CfCyarnの成形板

CfC yarnの成形板

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