三菱ケミカルが実証試験で確認 原料情報の適切管理を

2024年10月25日

ゴムタイムス社

 三菱ケミカルグループの三菱ケミカルは10月24日、ケミカルリサイクルのサプライチェーンを想定したトレーサビリティシステムの実証試験を行い、複数の企業にわたるサプライチェーンにおいて、リサイクル原料となる廃プラスチックの種類などの情報を改ざん不可能なかたちで適切に管理・共有できることを確認したと発表した。
 同社は2023年度(令和5年度)から、内閣府が主導する戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期の課題「サーキュラーエコノミーシステムの構築」において、物質・材料研究機構(NIMS)が主導する「環境試験・診断・トレーサー技術の確立と産業応用のためのデジタル解析基盤の構築」プロジェクトに参加している。
 同プロジェクトでは、各種の評価技術の確立とそこから得られた情報を活用するデジタル基盤構築の両面から、重要課題としてELV(EndーofーLife Vehicles、ELV)規則案対応のための自動車部品用途プラスチック再生材の高品質、安定供給が可能なリサイクルシステムの構築に取り組んでおり、さらに、今後そのノウハウを家電等の他分野へも展開することで相乗効果を図ることを狙っている。
 今回、同社が事業化を目指しているアクリル樹脂のケミカルリサイクルのサプライチェーンを想定し、ブロックチェーンを用いた透明性・信頼性の高いサプライチェーン構築に向けたトレーサビリティシステムの実証試験を実施した。
 この実証試験では、chaintopeが開発したブロックチェーンタピルスを使用して、同社と共同でトレーサビリティシステムを構築した。ブロックチェーン技術を用いることで、ケミカルリサイクルかつマスバランス方式を適用するサプライチェーンにおいても、ポストインダストリー由来、ポストコンシューマー由来、ポストコンシューマーかつ自動車由来といった、リサイクル原料となる廃プラスチックの種類を、透明性・信頼性を高めて改ざん不可能なかたちで管理できることを確認した。
 同社グループは、これからもケミカルリサイクルやトレーサビリティをはじめとする社会課題の解決に向けた取り組みを推進し、グリーン化への取り組みを加速していく。

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