UBEがファストトラック指定を受領 米国FDAより塩野義製薬と

2024年10月25日

ゴムタイムス社

 塩野義製薬とUBEは10月24日、新規抗respiratory syncytial(RS)ウイルス薬候補(開発番号:S-337395、以下、「同剤」)について、米国食品医薬品局(FDA)よりファストトラック指定(Fast Track designation)を受領したと発表した。
 FDAのファストトラック指定は、重篤な疾患に対する新たな治療法やアンメット・メディカル・ニーズを満たす可能性のある薬剤等の開発を促進し、迅速に審査することを目的に制定された制度である。RSウイルスによる呼吸器感染症は、2歳までにほとんどの子どもが一度は感染し、生涯にわたって再感染を繰り返す疾患である。特に新生児、乳児、高齢者では、下気道に炎症を引き起こし、重篤な呼吸器症状を伴うことが多いため、早期治療が非常に重要とされている。
 しかし、現時点ではRSウイルスに対する効果的な抗ウイルス薬は存在せず、この分野には依然として大きなアンメット・メディカル・ニーズが存在している。同剤は両社の共同研究にて見出された、経口の新規抗RSウイルス薬候補でありRSウイルスの複製に必須なタンパク質を標的とし、ウイルスの増殖を阻害することで効果を発揮する。
 肺内での用量依存的なRSウイルス減少効果が非臨床試験で確認されており、現在、同剤の有効性と安全性の検討を目的にPhase2試験を実施中である。このたびのファストトラック指定により、FDAとの協議をより頻繁に行い、申請資料を段階的に提出することで、開発および審査のプロセスが加速することが期待される。
 両社は引き続き、それぞれの強みを活かして本剤の開発を促進し、一日も早く患者に届けることができるよう努めていく。

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