帝人フロンティアは10月29日、ポリマーに新たな生分解促進剤を添加することで、強度や成型性などの実用性を大きく損なうことなく生分解速度を向上することが可能なPLA(ポリ乳酸)樹脂を開発、テスト販売していたが、このたび、最先端のバイオテクノロジーという意味を込めて「ビオフロント」と命名し、国内外において本格的に展開することとしたと発表した。
同社は、環境戦略として「THINK ECO」を掲げ、幅広く環境配慮型の素材や製品を展開している。このたび展開する「ビオフロント」もこの戦略に沿ったものであり、今後も、生分解性を有する素材開発をさらに進めるなど、より環境負荷低減に貢献するソリューションを提供していく。
「ビオフロント」の特長は、生分解促進剤を添加することで、無添加のPLAポリマーに比較して加水分解を促進し、細菌や菌類による捕食・分解を加速する。そのため、高温多湿のコンポスト環境下に比べ細菌や菌類が少ないとされている海洋・河川や土壌中においてもより速く生分解性能を発揮するという点となる。
その他、通常のPLAポリマーの樹脂と同様の加工や成型が可能なため、フイルムや射出・押出成形品などの加工・成型が可能、また、通常のPLAポリマー同様に繊維素材への展開も可能で、テキスタイル・不織布などへの加工が可能という点や、生分解促進剤の添加量や条件を調整することで分解期間のコントロールができるため、必要な耐用期間の設定が可能という点となっている。
2024年10月30日