古河電気工業は10月29日、北米のエアコン市場への展開に向けて国際規格であるASTM C1427に適合したポリエチレンフォーム「フォーム キューエイチ」を開発したと発表した。
同社は昭和30年代に化学架橋発泡ポリエチレンシート フォームエース(R)を開発して以来、長年培ってきた組成開発の技術と知見を活かし様々なニーズに対応する製品群を世界中に展開している。
近年、北米のエアコン市場では、エネルギーや環境配慮の観点から、建物全体を空調するためにエネルギー負荷が大きくなる従来のセントラル方式から、個室ごとに空調するダクトレス式エアコンへの転換が進んでおり、今後、空調配管で用いられる冷媒用被覆銅管の市場拡大が見込まれている。 昨今の自然災害の激甚化や頻発化にともなう火災リスクの高まりを受け、種々の素材において火災発生による燃焼時の煙発生を抑制し、人体の安全性を確保する機能が求められている。同社はエアコンなどの冷媒用被覆銅管向けにフォーム キューエイチを開発し、独自のコンパウンド技術を用いることで燃焼時の発煙量を半減させた。またノンハロゲン系難燃剤を用いていることから、燃焼時にダイオキシンが発生しない。
なお、同製品はASTM C1427規格(米国試験材料協会(American Society for testing and materials)押出しシート及びチューブの発泡ポリオレフィン断熱材の標準仕様(Standard Specification for Extruded Preformed Flexible Cellular Polyolefin Thermal Insulation in Sheet and Tubular Form))に適合している。同社は今後も、独自技術を活かしながらより高性能な製品の開発に取り組み、お客様のニーズに応えていく。