東レは10月31日、インドネシア共和国におけるRefineryDevelopmentMasterPlan(RDMP)Balikpapan案件向けに、同社逆浸透(RO)膜と限外濾過(UF)膜を一括供給したと発表した。同案件は、インドネシア最大の石油精製企業PT.Pertamina社における最大の案件の一つとなっている。
新都市計画ならび新産業育成を推し進めているインドネシアにおいてエネルギー政策は喫緊の課題であり、同案件の海水淡水化設備は、東カリマンタン州バリクパパンにあるPertamina社の石油精製所内においてボイラー用水あるいは飲料水用途に使用され、処理能力は日量8万4000㎥となり、2024年末に稼働開始予定となる。
同社は、ROエレメント、ならびにUFの新製品であるラック一体型UFモジュールをこの度一括供給した。これをきっかけとし、同社は東南アジア地域事務所であるシンガポールのTorayAsia社と共に、インドネシアのみならず東南アジア地域全体の発展を今後も支援していく。
今回、同社製品受注の決め手となったのは、高いRO膜およびUF膜技術に基づいた総合的な技術サービスが挙げられる。また、RO膜に関しては、特に海水淡水化において、過去20年以上にわたる世界的な、高い信頼に基づいた実績も認められた。
また、多くの特長を備えたラック一体型UFモジュールもユーザーより評価を受け、この度の受注につながった。
同社は長年にわたり、世界的な水不足の解決に貢献するため、RO膜およびUF膜の販売、生産、技術サポートを拡大してきた。その用途は、海水淡水化や廃水再生から産業用途まで多岐にわたり、RO膜、UF膜それぞれの累計生産水量は、2024年3月末現在、RO膜は日量1億3600万、UR膜は1190万㎥となっている。
清澄な水へのアクセスの提供は、同社グループが2050年に描く世界へのロードマップを示す「東レグループサステナビリティ・ビジョン」にとって極めて重要であり、同社グループの健全で持続可能な成長を追求する長期経営ビジョン“TORAYVISION2030”を体現するものとなる。今後も先進の膜技術の提供と現地の需要に応える技術サービスを強化し、世界的な水不足、特に産業と人口の拡大により水需要が増加すると考えられる地域の課題解決に貢献していく。
2024年11月05日