旭化成が株主間契約締結 本田技研と合弁会社化

2024年11月06日

ゴムタイムス社

 旭化成と本田技研工業は11月1日、2024年4月25日に両社が発表した基本合意に基づき、カナダにおけるリチウムイオン電池用セパレータ生産に関する協業に向けて具体的な協議を進めてきたが、このたび合弁会社化のための株主間契約を締結したと発表した。
 両社は、旭化成のカナダ現地法人の100%子会社として設立したEーMaterials Canada Corporationが発行する新株を、Hondaのカナダ現地法人であるHonda Canadaが第三者割当増資で引き受けることで25%の出資を行い、新たに「Asahi Kasei Honda Battery Separator Corporation(仮称)」として合弁会社化する予定となる。
 Hondaは、同合弁会社への出資とその他の資金をあわせて約4億1700万カナダドルを拠出する予定。付加価値の高い素材技術や電動化技術といった互いの強みを持ち合うことで、高品質なセパレータをリチウムイオン電池に活用し、高性能な電動車の実現に向けた取り組みを加速する。
 なお、両社による合弁会社は、関係当局の許認可の取得等を条件に、2025年初頭の設立および事業開始を予定している。
 旭化成バッテリーセパレータ代表取締役社長谷口龍氏は、「旭化成は、経営の意思決定の迅速化を目的に、10月1日付でリチウムイオン電池の重要部材の一つであるセパレータ(ハイポア)事業を分社化し、旭化成バッテリーセパレータを設立した。当社が培ってきたハイポアの技術や経験、築いてきたグローバルネットワーク、集積された多様な人財は、これからの蓄エネルギー・電池の革新に寄与し続けていけると確信している。Hondaは2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを推進しており、同社が50年以上にわたる事業経験を持つカナダでは、包括的なEVバリューチェーン構築を進めている。今回のパートナーシップを通して、北米におけるセパレータの安定的な供給体制を確立するとともに、バッテリーの性能や耐久性の向上に貢献していくことで、EVによるエネルギー転換の推進、サステナブルな社会の実現の一翼を担っていきたいと考えている。」とコメントしている。

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