日本ゼオンは11月5日、 昨年に引き続き「第19回高校化学グランドコンテスト(主催:芝浦工業大学)」に特別協賛したことを発表した。同コンテストは、高校生および高等専門学校生(3年生以下)が行っている「学習研究活動」を支援し、高校生自らが自主的な探究活動を楽しみながら科学的な創造力を培い、将来科学分野で活躍できる人材の育成を目的とし、2004年から開催されている。 同社は同コンテストの趣旨に賛同して2023年より特別協賛しており、同社独自の視点で選考する「日本ゼオン・チャレンジ賞」は、「二酸化炭素吸収ボールMBRの開発」を発表した長野県飯山高等学校に贈られた。
「化学の甲子園」とも称される同コンテストの最終選考会は10月26~27日にかけて東京都内で開催され、書類による1次審査を通過した90チーム以上302名が参加、ポスター発表89件、口頭発表10件が行われた。
同社は今後も同コンテストへの協賛を通じて、次世代を担う人材育成を支援していくとしている。
長野県飯山高等学校の生徒は、「私たちは、地球温暖化問題を解決したいと考え、光合成を行うミドリムシなどの緑藻類をアルギン酸カルシウムのビーズに閉じ込めたMBR(ミドリバイオリアクター)を作りました。研究では、MBRの二酸化炭素吸収能力、培養特性、外部環境への影響について明らかにすることができました。これからはMBRの普及を目指し、さらに研究を重ねていきます。今回、このような賞に選んでいただいたことに、感謝申し上げます。」と受賞のコメントを寄せている。
同社チャレンジ賞審査委員長の坂本圭氏(同社創発推進センター)は、「ミドリムシを生きたまま粒子に閉じ込めるという発想と、実際にそれにチャレンジして達成できた点が素晴らしいと感じました。また、実験の過程で現れる粒子の変化を非常に良く観察できており、楽しみながら主体的に研究に取り組んだことが良く伝わる内容でした。化学実験では、実際に実物に触れた人だけが知り得る『手触り感』が大きなブレイクスルーにつながることが良くあります。これからも自信をもって『手触り感』ある研究を貫いて挑戦を続けてください。」とコメントしている。