東洋紡の25年3月期第2四半期決算は、売上高は2091億6100万円で前年同期比4・9%増、営業利益は69億3100万円で同193・5%増、経常利益は31億8000万円で同206・5%増、四半期純利益は1億1400万円で同94・3%減となった。
フィルムの売上高は828億円で同6・1%増、営業利益は30億円で同110・4%増。包装用フィルム事業では、荷動きは緩やかに回復し、原燃料価格に対する製品価格の改定は進捗したが、新製品の開発費用などコスト上昇の影響を受けた。
工業用フィルム事業では、セラミックコンデンサ用離型フィルムは、サプライチェーン全体の在庫調整は完了したが、本格的な需要拡大に至らず低調だった。液晶偏光子保護フィルム“コスモシャインSRF”は堅調に推移した。
ライフサイエンスの売上高は172億円で同3・9%増、営業利益は9億円で同62・2%減となった。バイオ事業では、診断薬用原料酵素は国内外ともに堅調に推移したが、生産能力増強に伴う費用が増加した。メディカル事業では、人工腎臓用中空糸膜の需要は堅調に推移したが、製造コストの上昇に加え、新工場の立上げ費用の増加の影響を受けた。
医薬品製造受託事業では、FDAからのWarning Letterが解除されたことにより、収益性が改善した。
環境・機能材の売上高は552億円で同5・1%増、営業利益は34億円で同806・9%増となった。樹脂・ケミカル事業では、エンジニアリングプラスチックは、北中米向け自動車用途の販売が拡大した。水現像型感光性印刷版用途の光機能材料は、中国を中心に販売が増加した。 環境・ファイバー事業では、環境ソリューションは、リチウムイオン電池セパレータ製造工程で使用されるVOC回収装置や交換用エレメントの販売が増加したことに加え、リチウムを濃縮回収するためのBC(Brine Concentration)膜装置の販売が寄与した。高機能ファイバーは、海外需要を着実に取り込み、堅調に推移した。
2025年3月期通期の連結業績予想は、直近に公表されている業績予想からの修正は無く、売上高が4350億円で前期比5・0%増、営業利益が170億円で同89・0%増、経常利益が115億円で同65・2%増、当期純利益が26億円で同5・9%増となる。