ダイセルの25年3月期第2四半期連結決算売上高は2896億8800万円で前年同期比6・9%増、営業利益は316億700万円で同18・8%増、経常利益は307億4500万円で同0・1%増、四半期純利益は320億5300万円で同7・7%増となった。
セグメント別にみると、エンジニアリングプラスチック事業の売上高は1245億4700万円で同14・6%増、営業利益は152億100万円で同148・2%増となった。ポリアセタール樹脂、PBT樹脂、液晶ポリマーなどポリプラスチックスの事業は、自動車や産業機器向け、電子材料向けなどの販売数量の増加、為替の影響などにより、増収となった。 水溶性高分子、包装フィルム、AS樹脂などダイセルミライズの事業は、2024年7月から樹脂コンパウンド事業を持分法適用会社ノバセルへ移管したことにより、減収となった。
マテリアル事業の売上高は884億6400万円で同0・6%減、営業利益は143億4300万円で同27・9%減となった。アセチル事業の酢酸は、主要誘導品の酢酸ビニルや高純度テレフタル酸の需要が引き続き低調であることに加え、原料(一酸化炭素)プラントの初期トラブルにより販売調整を実施したことで販売数量が減少し、減収となった。
アセテート・トウは、堅調な需要が継続しているものの、顧客の在庫調整の影響などにより販売数量が減少し、減収となった。
ケミカル事業の酢酸セルロースは、液晶パネル市場が緩やかな回復傾向にある中、偏光板向けの販売が競合素材の伸長により前年同期並みに留まったが、アセテート・トウ原料向けなどの販売数量が増加し、増収となった。
その他のケミカル製品は、需要の低迷や酢酸原料(一酸化炭素)プラントの初期トラブルによる販売調整により酢酸エチルの販売数量が減少したことなどにより、減収となった。
スマート事業の売上高は195億9600万円で同16・8%増、営業利益は2億1500万円で同61・7%増となった。ファンクショナルプロダクツ事業は、カプロラクトン誘導体の中国市場での需要回復などによる販売数量の増加、エポキシ化合物の液晶パネルや電子材料向けの需要回復による販売数量の増加により、増収となった。
アドバンストテクノロジー事業は、半導体材料市場の回復による電子材料向け溶剤、レジスト材料の販売数量増加、機能フィルムの車載ディスプレイ用途の販売数量増加などにより、増収となった。
セイフティ事業の売上高は、470億6700万円で同0・1%減、営業利益は13億1300万円(前年同期は営業損失1億4000万円)となった。自動車エアバッグ用インフレータ(ガス発生装置)などのモビリティ事業は、日本市場における自動車メーカーの認証不正問題や中国市場不調の影響などにより販売数量が減少したものの、為替の影響やコストアップの販売価格転嫁などにより、増収となった。セイフティ事業全体では、2024年3月に民生用装弾事業の子会社を 売却した影響などにより、減収となった。
通期の連結業績予想については、直近に公表した業績予想から修正し、売上高は6000億円で前期比7・5%増、営業利益は600億円で同3・8%減、経常利益は600億円で同12・3%減、当期純利益は510億円で同8・7%減を見込んでいる。