住友ゴム工業の24年12月期第3四半期決算(IFRS)の売上収益は8749億4200万円で前年同期比2・8%増、事業利益は615億1400万円で同46・6%増、営業利益は114億8500万円で同72・3%減、四半期利益は40億5000万円で同85・1%減となった。
決算説明会に出席した山本悟社長は「売上収益、事業利益は過去最高を更新したが、一方、営業利益は米国工場生産終了・解散等による減損損失を計上したことにより、大幅な減益となった」と今期を総括した。
タイヤ事業では売上収益、事業利益が過去最高に、スポーツ事業でも売上収益が過去最高を更新した。
第3四半期の事業利益の増減要因を見ると、直接原価が80億円、固定費が43億円、経費が41億円、価格が18億円、原材料で11億円、スポーツが10億円が減益要因となった。一方、増益要因は数量・構成他で259億円、為替が127億円、産業品他が12億円で合計で195億円の増益となった。
セグメント別では、タイヤ事業の売上収益は7487億6300万円で同3・9%増、事業利益は511億5400万円で同60・6%増となった。
国内新車用タイヤは、一部の自動車メーカーにおける減産の影響に加え、8月末の台風の影響などもあり、販売量は前年同期を大きく下回った。国内市販用タイヤは、前年同期の値上げ前仮需の反動があり販売本数は減少したが、冬タイヤ、夏タイヤともに販売が業界を上回って推移したことでシェアは向上した。
海外新車用タイヤについては、アジア圏における日系自動車メーカー向けを中心に大きく減少。海外市販用タイヤは、東南アジアでも総じて市況が低調ななか、販売が前年同期を下回った。米州地域においては、北米では販売が前年を下回ったものの主力商品のワイルドピークシリーズを中心に増販したほか、二輪車用タイヤも堅調に推移した。タイヤ販売本数は前年同期を下回ったものの、為替影響もありタイヤ事業の売上収益は前年同期を上回り、事業利益も増益となった。
スポーツ事業の売上収益は976億8900万円で同0・4%増、事業利益は79億2600万円で同10・9%減となった。 スポーツ事業の売上収益は前年同期を上回ったが、事業利益については主力の韓国での減収減益、北米を中心に販売構成の悪化により減益となった。
産業品他事業の売上収益は284億9000万円で同13・3%減、事業利益は22億6200万円で同89・7%増となった。
医療用ゴム製品については、欧州の製造・販売子会社株式の譲渡を1月末に実施したことにより欧州向け販売が大幅減となった事などにより減収となった。その他、生活用品で減収となったが、インフラ事業、OA機器用ゴム部品で増収となりました。産業品他事業の売上収益は前年同期を下回ったが、事業利益は増益となった。
24年12月期通期連結業績予想は前回公表から営業利益、当期利益を下方修正した。24年12月期通期の売上収益は1兆2000億、同1・9%増、事業利益は800億円、同3%増、営業利益は米国タイヤ子会社の生産終了、解散決定の影響等により50億円、同92・2%減、当期利益は10億円、97・3%減を見込んでいる。