櫻護謨の25年3月第2四半期連結決算は、売上高が34億8700万円で前年同期比11・9%減、営業損失は2億4400万円(前年同期は1億4400万円の利益)、経常損失は2億3700万円(前年同期は1億2600万円の利益)、四半期純損失は2億1200万円(前年同期は7700万円の利益)となった。
売上高は前年同期にあった消防・防災事業の大口案件が剥落し、顧客予算との関係から売上高が下期に集中する同社特有の業績傾向に戻っている。利益面は、人件費の上昇と消防・防災事業の大口案件の剥落に加え、航空・宇宙、工業用品事業において原材料価格高騰が売価の再設定に追いつかない状況が継続しており、減益となっている。
セグメント別では、消防・防災事業の売上高は13億3000万円で同25・4%減、セグメント損失は2億5500万円(前年同期は7800万円の損失)となった。消防ホース・消火栓ホースは、販売数量が伸びており売価の見直しも進捗し、売上高は増加した。
資機材では、前年同期にあった前期持ち越し案件と安全対策資機材などの大口案件の販売が剥落したことから、大幅な売上高の減少となっている。なお、消防・防災事業では、顧客予算との関係から売上高は下期に集中する傾向にある。
航空・宇宙、工業用品事業の売上高は19億800万円で同1・0%減、セグメント利益は1億4700万円で同50・1%減となった。航空・宇宙部門は、一定水準の受注残を抱え生産を進めており、前年同期に比べロケットエンジン用部品の販売が増加している。
工業用品部門では、原油貯蔵施設向けタンクシールの交換需要は多いものの、顧客要求納期との関係もあり前年同期に比べ販売が減少している。
利益面では、原材料価格高騰の影響を受け原価率が上昇している。とくに航空・宇宙部門では受注から納期まで長期となる案件が多く、受注契約後の原材料価格上昇分を売価へ反映させることが難しいことから減益となっている。
通期の連結業績予想に変更はなく、売上高が122億円で前期比8・6%減、営業利益は6億5000万円で同42・8%減、経常利益は6億3000万円で同43・0%減、純利益は4億円で同45・5%減を見込んでいる。
2024年11月13日