日本ミシュランタイヤは11月13日、太田本社内に建設した新社屋PARK棟をお披露目し、移転から1年の進化を発表した。
同社は2023年8月1日に、本社を東京都新宿区から群馬県太田市に本社機能を移転した。事業創業の地、群馬県太田市でワンチームとなり新たな歴史を刻んでいる。
群馬県知事山本一太氏は「この度、日本ミシュランタイヤが群馬県に本社を移転されて1周年記者発表会が開催されますこと、心よりお慶び申し上げる。また、社内の多様な知見が集うことを目的として設立された新社屋PARK棟の活用により、日本ミシュランタイヤが、これまで以上に先端技術を生み出し続けすていくことになると期待している。群馬県としても、日本ミシュランタイヤとの連携により、県内経済の更なる発展に努めていく」と述べている。
同社代表取締役社長須藤元氏は「本社を群馬県太田市に移転してから1年、人・利益・地球の価値創造のもと、社員が会社の未来に積極的に関与する意識が生まれ、自分たちの働き方を決定してきた。VUCAの時代に、レジリエンスのある組織では、社員同士がより多くの交流の機会を持ち、集合知を生むことが成功の鍵と言われる。風通しのいい意見交換が可能な空間を実現するために、新社屋『PARK群棟』を建設した。地域のポボランティア活動や志を共にする産官学の皆様との連携を密にし、馬から世界へ、モピリティへの貢献を続ける」と述べている。
同社は本社移転を決めた2022年末、社内にプロジェクトチームを立ち上げた。通勤サポートや社宅、法人契約ホテルの整備など、自分たちの働きやすさ、ワークライフバランスの適正化、ワクワクするオフィス作りなど、社員の声を吸い上げて提案し、新しい働き方の策定をしてきた。
本社移転1周年を迎えるにあたり、本社移転と新たな働き方に関する社内の意識調査を実施し、全社員の約半数から回答を得た。全体のうち78%が、以前の働き方と比較し、本社移転後の現在の働き方に満足していると回答したほか、通勤や宿泊に対する会社のサポートに満足していると答えた社員は84%だった。その他にも、個人や部署に任される勤務形態は、「上司からの信頼を感じる」「業務都合、家族都合に合わせた働き方が可能になった」など、92%の社員が満足と回答した。
今回建設された新社屋『PARK棟』は環境への配慮を目指した建物で、設計・施工は群馬県内の業者が行った。搬入マイレージの削減を実現したほか、コンテナ建築を採用しシンプルで合理的ながら独創的な設計思想のもと、内装処理や資材消費を抑え、搬入マイレージの削減や遮熱効果の高い部材などを使うことで冷暖房によるCO2排出量を抑えている。
また、コンテナと鉄骨のハイブリッド構造で、コンテナを井桁のように積むことで、コンテナ特有の小さなスペースとその間に大きな吹き抜け空間を作った。これにより立体的にも人の視線が交差し、階が異なっても交流しやすい設計になっている。
先の見通しがきかない現代社会において、変化に強い組織では、集合知をはぐくみ、新たな閃きを生み出す環境が必要となる。
同社は今まで太田サイトには無かった、視線・意見が交差し、皆が楽しく集まれる場所を作った。「PARK」という名前にもそんな意味が込められている。
太田在籍部署である研究開発、カスタマーサービスセンター、サービスグループと、東京から移動となったマーケティング&セールスやサプライチェーン等の部署が1拠点に集結し、部署間協業の活性化を促し、集合知を結集した意思決定を行う。
また自然豊かで、災害レジリエンスの強固な群馬県に移転したことにより、地域の産官学の皆様と連携し、共に人財教育やボランティア活動などに取り組んでいけることは、地方移転の大きなメリットとなる。
移転に伴い、地域の活動に参加する社員も増加し、ダイバーシティとインクルージョン、サステナビリティへの意識は着実に高まっている。
ボランティアに参加する社員も増え、2023年の活動時間は2018年の約3倍に増えた。
従来のタイヤビジネスにおける貢献はもとより、2023年8月1日より、群馬県下の物流企業である美松運送、車両動態運行管理のトップランナーであるドコマップジャパン、群馬大学とコンソーシアムを組み、ぐんまの運輸デジタルイノベーションの取り組みを開始した。
この取り組みはDXの力で物流業界の2024年問題(ドライバーと輸送力の不足)の解決と、環境にやさしく、荷主に選ばれる運送事業を目指すもので、産官学連携事業として2023年度の県のデジタルイノベーション加速化補助金を活用した(テーマ名:持続可能な運輸業界の実現に向けたぐんまの運輸デジタルイノベーション ~生産性の向上・環境負荷の軽減・稼働停止の最小化~)。
2024年11月14日