横浜ゴムの2024年12月期第3四半期連結決算は、売上収益が7829億600万円で同13・1%増、事業利益は834億1100万円で同69・6%増、営業利益は857億7200万円で同63・8%増、四半期利益は608億4100万円で同36・5%増となった。第3四半期決算は売上収益、事業利益、事業利益率はいずれも過去最高となった。タイヤ事業は欧州・アジアを中心に販売好調。OHT・新車向けが販売減となるも、市販用の販売は前年を上回った。
事業利益の増減要因は、為替差で70億円、原料価格で16億円、販売量で21億円、物流費等で17億円、製造原価で28億円、価格・MIXで116億円、YOHTで7億円、Y―TWSで84億円の増益要因だったのに対し、固定費で19億円の減益でタイヤで340億円の増益となった。これにMBで8億円の増益、その他で6億円の減益となり合計で340億円の増益だった。
セグメント別では、タイヤの売上収益は7012億4300万円で同14・4%増、事業利益は787億9700万円で同76・1%増となった。新車用タイヤの売上収益は、中国での日系自動車メーカーの販売不振の継続はあったものの、国内の一部自動車メーカーの減産影響の緩和や当社納入車種の販売好調により、前年同期を上回った。
市販用タイヤの売上収益は、国内での積極的な販売活動の効果や、海外では欧州及びインドなどアジア地域で販売を伸ばしたこと、円安の寄与もあり前年同期を上回った。OHT(オフハイウェイタイヤの略)の売上収益は、YOHT(旧ATG)が欧州、アジア、中東で販売が堅調だったほか、昨年5月に買収したY―TWSの業績が加わり、前年同期を上回った。
MB(マルチプル・ビジネス)セグメントの売上収益は748億2800万円で同2・6%増、事業利益は51億3900万円で同17・5%増となった。ホース配管事業の売上収益は、建設機械向けなどの油圧ホース及び自動車向けホースで需要が低迷し販売が振るわず前年同期を下回った。
一方、工業資材事業の売上収益は、コンベヤベルトでは概ね前年並みとなったものの、海洋商品や航空部品の販売が好調に推移したことから前年同期を上回った。
24年12月期通期連結業績予想に修正はなく、売上収益は1兆1050億円で前期比12・1%増、事業利益は1285億円で同29・6%増、当期利益は785億円で同16・8%増を見込んでいる。
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