イソプレンは2割増収も損失 クラレの1~9月期

2024年11月15日

ゴムタイムス社

 クラレの2024年12月期第3四半期連結決算は、売上高は6148億3400万円で前年同期比7・0%増、営業利益は739億2300万円で同19・8%増、経常利益は703億4100万円で同21・8%増、四半期純利益は466億3400万円で同27・8%増となった。

 セグメント別では、イソプレンセグメントの売上高は560億7600万円で同19・7%増、営業損失は55億6900万円(前年同期は40億6600万円の営業損失)となった。イソプレンケミカル、エラストマーは、自動車用途などを中心に需要が回復し、販売数量が増加した。耐熱性ポリアミド樹脂(ジェネスタ)は、堅調な自動車用途に加え、電気・電子用途でも需要が回復し、販売数量が増加した。

 ビニルアセテートの売上高は3155億400万円で同4・2%増、営業利益は705億9400万円で同10・7%増となった。

 ポバール樹脂は、欧州向け物流が混乱する中、グローバルな安定供給体制を背景に、販売数量が増加した。光学用ポバールフィルムは、順調な出荷が続いていたが、第3四半期に入りパネルメーカーの出荷調整の影響を受け、販売数量は前年同期並みとなった。なお、テレビ用パネル大型化の需要に応えるため、第2四半期に倉敷事業所で新設備の稼働を開始した。
 EVOH樹脂(エバール)は、食品包装用途は第2四半期以降回復基調となり、また自動車用途も堅調に推移したことから、販売数量は前年同期並みとなった。サーキュラーエコノミー関連を中心とした今後の需要拡大に対応するため、シンガポールでの新プラントの建設(2026年末稼働予定、2024年3月26日公表)を決定した。
 24年12月期通期の連結業績予想は前回発表から修正し、売上高が8350億円で前期比6・9%増、営業利益が890億円で同17・9%増、経常利益が840億円で同21・7%増、純利益が550億円で同29・6%増を見込んでいる。

関連キーワード: ·

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー