横浜ゴムは11月19日、自動運転トラックの開発などを行うT2が実施するレベル4自動運転トラックによる幹線輸送の公道実証実験に参画し、タイヤ検証を行うことを発表した。車両には来春発売予定のトラック・バス用タイヤの新商品を装着し、自動運転トラック向けタイヤに求められる性能などを検証する。また、今後は自動運転トラック向けのタイヤソリューションサービスについても実用化を進める。実証実験期間は2024年11月から2026年3月までで、関東~関西間の高速道路上の一部で実施する。
100年に一度の大変革期と言われる自動車産業ではCASEやMaaSなどによる新たなモビリティ社会の実現に向けた取り組みが世界的に進展している。また、日本では物流の2024年問題が社会課題となっている。同社は自動車産業に携わる企業の責務として、こうしたモビリティ需要の変化や社会課題の解決に向き合い、EVなどの電動車や自動運転車両向けの技術・商品開発を加速するとともに、新たなタイヤソリューションサービスの確立を目指している。
レベル4自動運転トラックによる幹線輸送サービスは限定領域においてドライバーがいない状態での運行が可能となるため、物流の2024年問題の解決に貢献するだけでなく、人間以上に安全な運転、高回転・高頻度物流による物流効率の向上、安定走行による燃費の改善など社会・環境に優しく、持続可能な物流の実現が期待できる。T2では2027年にレベル4自動運転トラックによる幹線輸送事業の実現を目指している。
同社はサステナビリティ・スローガンとして「未来への思いやり」を掲げ、事業活動を通じた社会課題への取り組みにより、共有価値の創造を図っていく。
T2代表取締役CEOの森本成城氏は、「横浜ゴム様には『日本の物流を共に支える』という大義に共感頂き、レベル4自動運転トラックによる幹線輸送サービスの実現にご支援頂けることを大変嬉しく思っております。T2は多様なステークホルダーの方々と密に連携し、少子高齢化先進国における新たなソリューションの創出による日本の産業競争力の維持・強化に寄与すると共に、物流・運送業界の活性化・成長産業への更なる転換に向けて貢献し、持続可能な豊かな社会を次世代へ引き継ぐことを実現させたいと考えております。その為の重要なステップとして本実証を有意義なものとし、社会課題解決に貢献するため、2025年7月のレベル2自動運転トラックでの幹線輸送サービス、そして2027年のレベル4自動運転トラックでの幹線輸送サービスのスタートに向けて尽力してまいります。」とコメントしている。
同社代表取締役社長兼COOの清宮眞二氏は、「T2様の取り組みは、人々の生活に不可欠である持続可能な物流の実現に大きく貢献するものであり、今回の実証実験におけるタイヤ検証は大変意義深いものだと感じています。当社は長年、高性能なトラック・バス用タイヤの開発やタイヤマネジメントシステムの提供などを通じて物流の維持・発展に尽力してきました。その豊富な知見と高い技術力を自動運転トラックによる輸送サービスの実現に活かしてまいります。」とコメントしている。
実証実験の概要は時期が2024年11月~2026年3月、場所は関東~関西間の高速道路上の一部、T2は実証実験全体マネジメント・実験用車両の提供、同社は検証用タイヤの供給・タイヤ点検を通じた摩耗状態の検証・自動運転トラック向けソリューションサービスの実用化をそれぞれ担当する。
本実証はドライバーが乗車して検証を行う。